message テーマ3 深く突きつめて考える 考九 防犯とプライバシー | ||||||||||||||||||||||||
一級建築士・インテリアデザイナー・ガーデンデザイナーの庭づくり講座/ガーデニングデザインメッセージ集 | ||||||||||||||||||||||||
刑務所のような高い塀をめぐらせて、上にはガラスの破片やしのび返しを張りめぐらせた家もありますが、みなさんのお宅はもう少し普通のお宅だという前提です。家づくり、庭づくりをするときに頭の痛い問題のナンバーワンは、防犯対策やプライバシー確保と庭のイメージをどう折り合いをつけるかということでしょう。ドーベルマンを放し飼いにするとか、セキュリティ会社と契約するのではなく、庭づくりのなかで簡単にできて少しは効果がある(かもしれない)と言われている方法について整理します。 堀とフェンスと生垣 塀やフェンスは、「乗り越え防止」という意味では、ひと言で言うと効果はありません。物理的に乗り越えられないような高い塀やフェンスならまだしも、泥棒はその気になって忍び込むわけですから、普通の人が入りにくいと思う程度のものではなんらバリヤーになりません。雨樋を伝って二階のバルコニーに上がろうとしている泥棒に、フェンスをまたぐことにどれだけの躊躇があるでしょう。住んでいる人にとっての慰めみたいなものです。 これに比べて充分な厚さと密度のある生垣は乗り越えにくいものです。塀のように上に乗れないし、無理に乗り越えようとすればバリバリと音がして、けがさえするでしょう。 泥棒は見られる危険を最も嫌います。その意味では、道路から丸見えのフェンスの方が遮蔽された塀よりも効果があるでしょう。 門についても同様です。普通の低い門なら防犯的には効果はありません。完全なオープンスタイルはどこからでも丸見えなので、泥棒はピッキングやガラスを割ったりする「作業」がしにくいと言われています。 美観を保ちつつ その他、一般的対策として、まずは足掛かりをなくすこと。二階の屋根やバルコニーへ登ることのできる足掛かりをなくします。軒に接するような塀や物置、クーラーの室外機や冷媒管、樋、電線の引き込みポールなどに注意です。次に砂利敷き。これは歩くと音がするので、防犯効果が期待できます。土のままよりも格段に見栄えもいいし、足ざわりもいいのでお勧めです。そして防犯灯。つまり明るいこと。楽しむための庭の照明が防犯対策にもなります。センサーライトも侵入抑止効果があると言われていますし、便利でもあります。センサー付きの警報もあります。 道路や他の家から、侵入箇所(さまざまな開口部)を隠せば隠すほど泥棒を喜ばせますが、プライバシーは保てます。言い替えると、塀や門などを張りめぐらせてプライバシー確保を重視した庭よりも、今流行りのオープンスタイルの庭の方が防犯効果は高いのです(あくまで比較論ですが)。防犯とプライバシー確保、この相反する課題のうちどちらを重視するか、あなたはどうしますか。 結局は声かけ 警察の検挙率は昨今、過去最低です。他人事ではありません。一階であれ二階であれ施錠されていないところから入られることが多いのです。相手はプロなのですから、防犯対策に完璧ということはありません。結局のところ、最も効果があるのは建物側できちんとした対策(壊されにくい鍵、合わせガラス、面格子、監視カメラなど)をとって、セキュリティ会社と契約してさまざまなセンサーを設置し、最後に確実に施錠することです。そして言い古されてはいますが「声かけ」。泥棒は、誰かに声をかけられることで、その近所での仕事(下見と侵入)を中止します。 このメッセージは この本に掲載されています。
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