message テーマ5 木と草花を楽しむ 草九 果樹を育てて豊かな気分に | ||||||||||||||||||||||||
一級建築士・インテリアデザイナー・ガーデンデザイナーの庭づくり講座/ガーデニングデザインメッセージ集 | ||||||||||||||||||||||||
林の中に立つ柿の木は、普段は目立たない存在ですが、冬枯れの季節はその柿色の実が目を引きます。近くの野山を散策していても、ここにもあそこにもといった調子で再認識します。 庭に果樹を あなたにも、果樹にまつわる子ども時代の思い出がありませんか。かつて庭先には何かしらの果樹が植わっていましたよね。昔話にもたくさん登場します。 しかし最近の流行の庭には果樹はほとんど登場しません。なぜでしょうか。姿形があまり良くない、横に広がって場所をとる、葉っぱが大きくて見栄えがしない、庭が狭くてどうしても植えたい木を優先してしまう、といったことが原因でしょうが、なかには鳥が来ていやだということさえあるようです(庭を楽しむ気があるのかね)。でも本当のところは「今風ではない、やぼったい、見飽きた」というのが本音ではないでしょうか。 でも、いいと思いますけどねえ、果樹。果樹園、なんともいえずロマンティックな響きではないですか。花も楽しみ、実も楽しめる。豊かさの象徴。手入れが行き届かなくて、生食できるほど味の良い実が収穫できなくても、シロップにしたりジャムにしたり、焼酎に漬け込んだり。記念樹にももってこいです。子どもが生まれた、小学校に入学した、結婚した、とか。毎年収穫の季節になるとその記念の事柄を思い出しますよ。 鉢植えで イギリスや北フランスなどの寒い地方では、レモンなどの暖かい地方の柑橘系果樹への憧れがあるそうです。鉢植えで育て、寒くなると温室の中に移動したりして。最近は改良が進んで、耐寒性のある品種もありますから、みなさんもいかがでしょう。鉢植えなら場所もとらないし小さく育てられます。実がつくと室内で観賞することもできます。 余談ですが、以前、ヨーロッパをまわったときにおもしろいものを見つけました。パリだったかな、ベルリンだったかな、市民に開放されている昔の宮殿跡の庭園でのことです。その整形庭園に、芝生と園路を仕切るチェーンがめぐらされていたのですが、そのチェーンにフユツタをからませているように見えました。ところが近くに寄ってみると、ツタではなくてブドウなのです。ブドウのフェンスなのです。腰ほどの高さなのですが、さぞ果実が実ったときにはおもしろい眺めでしょう。 ブルーベリーが流行っていますね。目に良いとか。我が家の庭にもあります。日あたりがよくない庭なら、山に生えているキイチゴはいかがでしょう。以前よく登った生駒山に、私が秘密にしているキイチゴの群落がありました。プラスチック容器にぎっしり収穫して帰り、キイチゴシロップをつくって水で薄めて飲んでいましたが、ほのかな野生の味がして好きでした。庭に植えても野趣があっていいですよ。 街なかの果樹 注意して見ていると街なかでもいろいろな果樹を発見できます。道路際や空き地のグミやクコはおなじみ。少し珍しいところではコウゾの潅木も生えていました。我が家では、このコウゾもキイチゴと同様、収穫してシロップです。生えていたのは人通りの多いところでしたが誰も気にとめず、私だけの特典でした。ところがある日、スーパーマーケットの駐車場工事の余波で切り払われてしまい、悔しい思いをしました。生えていたのは隅っこなので残してやることはできたはずです。誰も知らない雑草扱いの木の運命は悲しいものでした。 このメッセージは この本に掲載されています。
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