message テーマ2 想像力をふくらませる 創一 ナチュラルガーデン | ||||||||||||||||||||||||
一級建築士・インテリアデザイナー・ガーデンデザイナーの庭づくり講座/ガーデニングデザインメッセージ集 | ||||||||||||||||||||||||
魅力 なんとわざとらしい言い方。自然風庭園でいいのではないか、とは思いますが、ナチュラルガーデンの方がおしゃれな響き? このわざとらしさを嫌う人は「雑木の庭」などと言いますが、これも照れくさいですね。まあそんなことはどうでもいいので、ここではナチュラルガーデンと言っておきます。 いわゆる雑木林の雑木、つまりコナラやクヌギ、ナツツバキやカエデなどの落葉高木に、ユキヤナギやヤマアジサイ、ドウダンツツジなどの落葉低木、アセビやアオキなどの常緑低木、下草にコクマザサやフッキソウ、そして宿根草などで構成する庭のことです。今やイングリッシュガーデンをしのぐブームです。 季節感が豊かで、風を感じるというか、透明な空気を感じるというか、動きと変化の庭です。形容詞で言うなら、落ち着いた、さわやかな、明るい、理知的な、ということになるでしょうか。決してゴージャスな感じはないし、華やかさや鮮やかさもありませんが、かといって堅苦しさもないのです。 お手本は自然の野山 最高のお手本は自然の山野です。自然の山野といっても、いわゆる里山(さとやま)ですね。深山奥山・高山ではなく村の裏山です。ヒノキやスギの植林ではなく、うっそうとした神社の鎮守の森でもなく、秋になると紅葉して冬には落ち葉がぎっしりと積もっているようなところです。 そのような林の中の、エアポケットのような小さな空地、上を見上げると梢に隙間があいて、陽の光が地面にさしているようなところ。笹が繁茂しているかもしれません。木イチゴや野イチゴがなっているかもしれません。キキョウやユリが咲き、冬にはサルトリイバラ(クリスマスホリー)が赤い実をつけているでしょう。小さなせせらぎがあると最高です。空地と林の接点付近にはヤブコウジや冬イチゴがひっそりと小さな赤い実をつけて、春にはヤマブキがあたり一面を黄色に染めているかもしれません。近づくとヤマガラやカワラヒラが飛び立ち、ヘビやトカゲが日向ぼっこしているかもしれません。石の上にイタチの糞がのっかっているかもしれません。 こういうことを書きだすときりがありませんね。このような林の中をいいなあと思う人が、ナチュラルガーデンの良さがわかる人です。 野山に出かけよう 自然そのものをすべて模倣するということではありません。その気持ちの良さを、庭にふさわしい形で実現するのがナチュラルガーデンなのです。 野山に出かけるのに特別な用意はいりません。スニーカーを履いて、水筒とおやつを持ってカメラを忘れずに。気に入ったところがあれば季節ごとに通いましょう。遠いところへ行く必要はありません。目指すは近くの裏山です。ハイキングコースでなくても結構。たいがいの裏山には地元の人が通る小道があるものです。 蛇足をひと言。決して木や草を引っこ抜いてくるという暴挙にだけは出ないようにお願いします。 実はいまだにたくさんいるのです。そういうことをする心のさもしい人が。 そういえば、雑誌にある会社の庭の紹介がされていました。バリバリのナチュラルガーデン。ところが、記事を読んでいくと、なんと近くの山の自然そのものを、文字通り掘り起こして採ってきて移設した、とうれしそうに書いてあるのです。目を疑いました。信じられますか。設計する者も施工する者も、発注者である会社も、なんの問題意識もなくそんな記事を載せている出版社も、どこにも良識のある人材のいない希有な例でした。 このメッセージは この本に掲載されています。
|
|
|||||||||||||||||||||||
メッセージインデックス 自分流に愉しむ気ままな庭づくり ホーム 庭づくりメッセージ&講座 気ままなミニ盆栽 気ままな庭(My Garden) ドロのこころだ(ブログ) 英国風景庭園ミステリー「水霊の巫女」 甘南備山逍遥 書籍紹介:自分流に愉しむ「気まま」な庭づくり プロフィール 清水計画室 |
||||||||||||||||||||||||