message テーマ4 自分流に日々を楽しむ 楽六 エッジのデザイン | ||||||||||||||||||||||||
一級建築士・インテリアデザイナー・ガーデンデザイナーの庭づくり講座/ガーデニングデザインメッセージ集 | ||||||||||||||||||||||||
庭のレイアウトをパターンとして考え、その使用材料のイメージが固まったら、次はその境界部のデザインです。極小の部分も楽しみたい小さな庭の場合には、このエッジ(端部)のつくり方がとても重要です。例としてレンガ敷きの園路と植栽との境界部分のデザインを考えてみましょう。 立ち上がりをつくる レンガやコンクリートなどの硬い材料で立ち上がりをつくった庭は、印象として公園の花壇のようになります。公園では花壇に人や自転車が入らないように、また植栽部分の土が園路にこぼれて汚れないように立ち上がりを設け、管理的発想で園路部分と植栽部分を分けています。立ち上がりがあると硬い印象になって、ナチュラル系の庭には向きません。少しでも印象を和らげるために、立ち上がり部から緑を垂らす、あるいは足元を植栽で隠します。 ボーダーを設ける 園路のエッジのレンガを貼る方向を変えたり別の材料で縁どるのは、園路そのものをデザインして見せようという意識です。園路の方向性を強調するデザインになるため、短い園路を道として認識させる効果があります。 下草のエッジ 一般的に、造園の職人は端部をそのままにすることを嫌がります。通行しているうちに端のレンガが少しずつ動いて、下がったり隙間があいたりして乱れるからです。でも個人の楽しみの庭では、その隙間に小さな雑草や苔が生えてもいいのではないでしょうか(専門の造園材料にはレンガを止める目立たない樹脂製のプレートがあります)。 端部のレンガが動かないように下草で止める方法はどうですか。例えばタマリュウ。これは強い下草で少々踏んでも大丈夫ですし、常緑で根がしっかり張ります。これで縁取りすると、土が園路にこぼれるのが防げますし、葉っぱが園路に張り出してレンガのエッジを隠してくれますので自然な雰囲気になります。 できればナチュラルに エッジのデザインは庭の印象を大きく変えます。枕木で花壇を囲うのもいいし、五〇センチくらい花壇をもち上げると庭に立体感が出ます。でも小さい庭では、人工的な造園材料を使って立ち上がり部分をたくさん設けると、植物よりも物があふれているように見えてしまいます。 花壇はここから、園路はここからというように境界線を明確にせず、花壇の中に歩けるところがある、野原や林の中に踏み跡がある、という風情でつくった方が庭を広く使えます。実際に歩く(足を置く)ところは最低三〇センチの幅(コンクリート平板の幅)があればいいのですから。立ち上がりがあると最低でも約七〇センチの幅が必要です(平坦部五〇センチ、両側立ち上がり部各一〇センチ)。さあ、庭づくりを始めるぞと、いきなりレンガや縁石などを買ってきて花壇の縁取りから始める、ということのないようにしましょう。 このメッセージは この本に掲載されています。
|
|
|||||||||||||||||||||||
メッセージインデックス 自分流に愉しむ気ままな庭づくり ホーム 庭づくりメッセージ&講座 気ままなミニ盆栽 気ままな庭(My Garden) ドロのこころだ(ブログ) 英国風景庭園ミステリー「水霊の巫女」 甘南備山逍遥 書籍紹介:自分流に愉しむ「気まま」な庭づくり プロフィール 清水計画室 |
||||||||||||||||||||||||