実践編 京都の新しい庭園紹介 | ||||||
一級建築士・インテリアデザイナー・ガーデンデザイナーの庭づくり講座/ガーデニングデザインメッセージ集 | ||||||
今回は大阪と京都にできた新しい庭の報告P2だ。 今、注目の的、京都に新しくできた高台寺門前のガーデンオリエンタル。今をときめく商業プロデューサー野田氏の京都第二段。ここはすごいよ。オープンパーティーに招待されたので、行ってきた。 そもそもここはあるお屋敷のリニューアル。用途はイタリアンレストランと、ブライダル。教会も新設、披露宴もコンサートも。もとのお屋敷がどんなで、何が変わって云々というのは説明のための説明になるので、割愛。また、庭以外の建築のことやサービスのことについても、割愛。庭について、見たまんま、感じたまんまをお伝えする。ただ、とりとめない記事なのであしからず。 第一印象。 期待はずれ。いや、実は違う意味の期待をしていた。 なにがって、なんだか、作り物臭い。いわゆる「バタくさい」 庭が。アプローチは確かに、元あった庭の大きな木が出迎えてくれたりする。しかし、レストランやバーに面した庭が、どうもディスプレイ的。大きな壷の寄せ植えなんかは、今風で、おしゃれっ、ということになるのだろうが、どうかなって感じてしまうのだ。 いや、なにも京都らしくカエデばかり植えて欲しいというのではない。さっぱりしたすがすがしい庭にしなければならないということでもない。侘び寂を求めているのでも、禅の心を求めているのでもない。 単に、もうちっと樹種選定に気を使い、レイアウトに気を使えないかね、ということ。 しかし、気がついた。あれはあれで理由があるのだ。 常緑樹ばかり植えてあるのは、レストランやホールを季節に関わらず緑で包みたいから。でも、暑苦しいんだよな。コッテリしていて。それに、いつ行っても一緒やんか! 生垣状(一列ではないがモリモリに常緑樹を植えてある)に植え込んであるのは、もちろん、スクリーンとして視線を遮って欲しいから。でも、せっかくの広い敷地が生きてないんだよな。 施設の性格から見て、あれでいいという意見もあるでしょう。あなたはどう感じますか。 しかし野田氏のプロデュース力には感服する。考えて考え抜かれた上での結論なのだろう。 こういう意見が予想される。 「その地らしさって、あるんじゃないか。特に京都は。いかにも京都らしい庭を眺めながら、イタリアン、今風のブライダルというのでもよかったんじゃないか」 半分賛成、半分反対。 京都らしさって、何かね。よくわからないけど、何か確かにあるんだろうね。祇園で金をばら撒く旦那衆や坊主が京都文化の担い手だ、なんてことじゃなく。確かに京都に名園と言われる庭は多い。でも、もしかすると単に寺院が多いということではないのか。何が、京都文化なんだ? 確かに感じるんだけど、なんなんだ? 歴史じゃないよ、文化。以上賛成の部分。 反対の部分。固定概念としてある○○らしい庭なんて、面白みがない。いつも言うように、スタイルはあなたスタイル。個人住宅の庭であれ、商業施設の庭であれ、老人ホームの庭であれ、市役所の庭であれ、それを作り利用する人の思いが出ていることが最大の重要ポイント。庭は、人の目を気にして作るディスプレイじゃない。自分が楽しむもの。観光客として見に行ったときには、○○らしさを見て納得してしまうものだが、それは観光庭園でのこと。だから、あれでいいんだよ。思いが詰まったガーデンオリエンタルの庭。 次回は昼間に行ってみよう。視認距離が短い夜より、昼間はまた違った風景を見せてくれるかもしれない。 |
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