実践編 ブドウの実と水音 | ||||||
一級建築士・インテリアデザイナー・ガーデンデザイナーの庭づくり講座/ガーデニングデザインメッセージ集 | ||||||
さて今回は何を書こうかな、日曜日の午後、窓際に置いたパソコンに向かっている。 窓から、ブドウの枝が垂れ下がっているのが見える。今年は豊作だ。たくさんの房がぶら下がって、葉の間からこぼれた陽光にちらちらと照らされている。先日お話した、パーゴラに張り渡したワイヤーに絡ませたブドウです。 だいぶ前に、ブドウを育てている読者とおいしい実を作るためにすること、の話をしたことを思い出した。残念ながら、私は目に付いた青虫をピンセットで取ること以外、何もしないので、その時はなんら参考になる話ができなかったな。本を見て教えてあげるくらいのことなら意味がないもんね。 あっ、ヒヨドリ! ブドウの枝にとまった。ブドウの実を見ているぞ。そろそろ食べごろかなって考えているようだ。待て! 私は思わず立ち上がった。目が合った。鳥はあわてて飛び去った。 庭に野鳥を呼びましょう、なんて言っても、このブドウだけはやらないぞ。あんな鳥に、ガンガンつつかれたら、一巻の終わりだ。で、はじめて、新聞紙で実を包むということをやってみるということになった。 ふう、やれやれ。えらい汗かいた。 というのがひと月ほど前のことで、先日ついに、収穫!! 何もしないわりに、とてもおいしい。小粒ではあるが甘い。 * * 池の水音が間近にやけに大きく聞こえている。そろそろ濾過槽の掃除をしないといけないな。濾材が詰まってオーバーフローしているんだ。 チロチロ、トポトポ、バチャバチャ。 そういや、先日何かで読んだ。水音のするところにはオゾンがたくさん発生しているそうな。滝に向かって深呼吸しようって。 思い出した。知り合いが、室内でオゾンを発生させる装置、単に水を循環させて小さなカスケードを作る装置、を作って売り出したこと。値段が高くて場所もとるので、全く売れなかったそうだけど。 ところで、我が家の犬は、四歳の成犬になってからも子犬のときと同じように、跳びはねるように遊ぶ。元気な子犬のようなしぐさがかわいいと、近所で人気者だ。親に(つまり私)に似て、単にうれしがりなだけだと思っているが、もしかして……。彼女はいつもいつも、庭の池の水音を聞いてすごしている。時々、池の水の匂いを嗅いでいる。鯉に餌をやっていると、自分にもくれ!ってもらいにやってくる。 ということは、オゾン効果でいつも溌剌ということなのかもしれないな。いや、ホント! (本の72ページの写真、笹トンネルで遊んでいるのが彼女ですよ) |
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