自分流に愉しむ「気まま」な庭づくり
気ままな庭  (doroashi garden)
気ままな庭のwark テラスのパーゴラ製作
1 大体の話
完成したパーゴラ、オーニングもつけて
≪完成写真:とい取り付け前≫

 犬を飼い始めて,夏を日陰で過ごさせようと1999年春にとりかかる。当初は面倒さを嫌って,既製品を検討するが気に入ったものがない。拙宅のテラスは建物に沿う形になっていないため,既製品はぴったりとはまらない。そこで大工仕事で見積もりを取る。高い!ので,自分たちで楽しみながら作ることにする。

 まず構想としての図面を引く。これはお手のもの。材料調達は近所のいくつかのホームセンターに通い,どうすれば素人でもお手軽にそこそこのでき映えでできるかを考察。絵は書けても実際自分で簡単にできなければ意味がない。プロの道具がなければできないことは当然ながらだめ。選んだ材料でちゃんと図面化。材料を細かくパーツに分解。材木はできるだけホームセンターの工作室でカットしてもらう。車に積みやすいし,作業は圧倒的にスピードアップ。

 パーゴラの屋根にするアクリル板はメーカーにカットして配達してもらう。コストを考えて,特注の寸法ではなく,普及品の幅のもので長さだけ注文する。テラスはコンクリートなのでアンカー用の穴をあけるのはしんどい。できないことはないが素人用の電気ドリルでは時間がかかり過ぎ。造園屋さんに,近所の職人を紹介してもらい,穴あけだけしてもらう。自分でするなら一週間くらいかかることを,ものの三十分くらいでできあがり。ただ半日の日当は取られたけど。

 費用はしめて15万ほど(半分以上、上に載せたアクリル板)。製作日数約3ヶ月。

愛犬

2000年8月15日 掲載
2 材料選び
パーゴラ建て方

≪1999年初夏の頃の作業風景≫


 杉丸太を立て、ツーバイフォーの材木で梁をかけている。柱を杉丸太としたが、これは位置決めが難しい。丸の太さがまちまちで、当然根元と先のほうの太さも違い、梁の寸法で決めたとおりの位置に据えることができない。拙宅のパーゴラの柱も、厳密に言えば垂直に立っているとはいえない。まあ、プロの仕事なら許されないだろうが、ここは素人の大工仕事。余り厳密さは求めない。台風でも倒れなければいい。

 さて、材料選定についてだが、コツは多くの種類の(寸法体系の)違う材木を使わないこと。これが手軽さと、できの良さにつながる。

パーゴラ構造
 色々な寸法の材料を使うと、まず設計が面倒、つまり間違いの元。次に接合方法もさまざまになって面倒。端的にいえば寸法の組み合わせが多いと、ボルトでとめるにしろ、木ねじでとめるにしろ、、多くの種類(長さや太さ)のものを使うことになる。家庭では電気ドリルを一台しか持っていないだろうから、錐とドライバーを差し替え差し替えして使うことになり、これだけで相当の時間を要してしまうことになる。(最初からすべての穴を、整合のとれたところに空けておくというのは不可能。材木は必ず幾分は曲がったりねじれたりしている。特に長いものは。)


 また同一の材料を使うと端材の量も少ないし、万一計算間違いで寸法が違っていても応用が利きやすい。
 拙宅のパーゴラの場合は柱以外の、梁と垂木(たるき)、筋交いを同一材料としている。

柱の足元(アンカーで留める)
 蛇足だが、材木を仕入れるホームセンターなどはできるだけ1箇所に絞ろう。何かが足りないといって、何店かをはしごしなくちゃならんというのは疲れる。疲れるとだんだんやる気がなくなる。
 そして材木はホームセンターでできるだけ切ってもらおう。ちゃんとした図面を書く癖もつくし、なんと言っても家での作業は楽。運ぶのも楽。それから店ではできるだけいい木を選ぼう。曲がってなく、そってなく、節の少ないもの。選びもせずに上から順番に取るなんて事のないように。恥ずかしがらずに床に置いて、じっくり吟味しよう。でき映えに大きく影響する。

愛犬

2000,8,26 掲載
3 屋根づくり
パーゴラ屋根かけ
≪屋根材料のアクリル板を載せる≫


 テラスに屋根をかけることは絶対お勧めです。
 夜でも雨の日でも、庭で楽しむのが「気ままな庭」のスタイル。雨の日は蚊も少なく安心してお茶をできますよ。オーニングが雨に濡れて痛んでしまうことも防げます。犬とも遊べます。万一既製品のパーゴラを付けてしまった人も後付けしてください。自分でできます。

 さて材料ですが、「気ままな庭」では透明のアクリル板を選びました。ポリカーボネイト板という手もありますが、ちょっとだけ高価です。最近のカーポートの屋根はポリカーボネイト板が多いようですが、この方が火災時に燃え難いという反面、傷が付きやすいので何かをコーティングしているとのこと。アクリル板にしろポリカーボネイト板にしろ、色や厚みは選り取りみどりですからご自由に。経年変化で白濁してくることは覚悟が入りますが、何年も先のことはその時考えましょう。最初から白いものであれば気にならないかもしれませんしね。

 「気ままな庭」の場合、費用のほとんどがこのアクリル板でした。メーカーの規格寸法に合わせることが、ちょっとでも安くあげるポイントです。長さはとにかくも、幅は。そもそも、できればこの幅でパーゴラのサイズを決めるのがグッド。注文はメーカーに直接してもいいですが、細かいカットはしてくれないので、一枚づつ長さが違うとか斜めカットがあるとかの場合は、造園屋さんに取り寄せとカットと、搬入を頼みましょう。


 作業はいわゆる高所作業になって危険なので、できるだけしっかりした足場を工夫しましょう。泥足はちなみに、近所の工事現場から、写真のような足場を一日だけ無理をいって借りてきました。なければ、もちろん脚立でいいですが、厚みのあるものは思ったよりも重いですからそのつもりで。
 屋根には水勾配をつけます。どの程度かはデザインによりますが、アクリル板のたわみを考慮して、少し多めの勾配がいいでしょう(この点は次回に説明します)。アクリル板を水下から順番にパーゴラの上にあげて、重ね合わせて置いていきます。重ねる幅は5cmもあればいいでしょう。重ね合わせてから、もくねじ用の穴を電気ドリルで空けていきます。この穴は、少し大きめに空けます。アクリル板の膨張と収縮を考慮してのことですね。パッキンのついた座金を付けて、もくねじで固定していきますが、台風でも大丈夫だと自信を持てる程度に、しっかりと固定しましょう。これで終了です。重ね合わせたところから雨が漏ってくるかもしれませんが、その時はホームセンターでいろんなシーリング材を売っています。しかし、少々の雨漏りは気にならないと思います。
 ポイントを整理すると、屋根にするアクリル板などの寸法を考慮してパーゴラの大きさを考えること、安全な作業足場を調達すること、水勾配を取ること、十分に固定すること、です。当たり前のことばかりですね。

2000年9月19日掲載

4 樋の取りつけ
パーゴラの樋
≪樋の取り付け≫

 今回は失敗談です。パーゴラを制作する際に、できるだけ華奢な感じで作ろうと考えていましたので、軒先のデザインが重くなる樋は付けたくなかったのです。ところが予定していなかった樋を取り付けることになり、結局は不細工なことになってしまいました。

パーゴラの屋根の水勾配
 パーゴラの屋根の水勾配は奥行き方向約5%、幅方向約3%程度にしています。幅方向に勾配を取っているのは、アクリル板の重ね合わせ部分から水が漏らないようにということです。使ったアクリル板の厚さは5mmですが、アクリル板にたるみが生じることは想定していました。ただそれがどの程度かということはわかりませんでしたので,まあこれだけの勾配があればいいだろうという気持ちでした。実際、屋根の上の水の動きでアクリル板が少しわんきょくしているのがわかりますが、そのことによって屋根の上に水が溜まるということはありませんでした。水は上手く筋になって流れて行き,漏ることもなく,できたできたと喜んでいました。

 ところが、小雨の時でもテラスは濡れてしまうのです。ある程度以上の雨が降ればどうせテラスは濡れるから樋はなくてもいいと思っていましたが、少々の雨でも濡れてしまうのです。時々、垂木と垂木の間を筋になって水が流れて行き、滝のように落ちていました。当然水が、はねかえってテラスは濡れます。やはり屋根の水勾配が小さすぎたのです。降った雨は水滴となって屋根の上に溜まっていきます。ある程度その水滴が大きくなると、徐々に勾配に従って移動し始め、途中の水滴を集めながらますます大きくなります。最後に軒先から落ちる時には大きな水の塊になっているというわけです。小雨の日は、時々ザッという水の落ちる音が聞こえます。もっと、水勾配が大きければ水はさっさと流れてしまうので、それほど大きな塊にはならなかったことでしょう。

雨水が池に
樋を付けることに
 しかしまあ、それで犬が濡れるわけでもないのでそのままにしていました。ところが今年の春に池の水質が極端に悪化し、色々な対策を考える中で、パーゴラの屋根に降った雨水を集めて、池に入れようということになり、結局樋を付けることにしたのです。最初から樋を付ける気はなかったので、軒の出も(アクリル板も垂木も)見た目は揃っているようでも実はでこぼこです。簡単なのは、普通に売っているぺらぺらした太い樋ですが、これならそのでこぼこも問題ありません。しかし、どう見てもこの華奢なパーゴラには似合いません。さてどうしようか、竹を縦に割った樋はどうだろう、どこに売っている?幸いここは竹の産地だから探せばあるだろう、などとも思いました。しかし、竹は完璧に真っ直ぐではないでしょう。軒の出はばらばらで樋も真っ直ぐではない、それできれいに収まるか、自信はありませんでした。

樋の材料
 ホームセンターで、アルミのL型の枠を三本購入しました。アクリル板の切っ先に沿わせるようにそれらをあてがい、樋としました。三本はアクリル板の出の違いに沿って僅かに曲がっていますので、重ね合わせ部には隙間ができます。ボンドでその隙間を埋め上手く流すことができました。次は縦樋です。線が細くて目立たないものがいいと思いましたが、代用できるいい物がありません。スチールのハンガーパイプはさびるし、曲げることができない。散水ホースは、ケバイ色ばかりだし、グニャグニャしてピシッとしないだろう。仕方なしに、塩ビの水道管にしました。継ぎ手も色々あるし、お手軽さを選びました。しかし見た目はいまいち。とりあえずロープをぐるぐる巻きにして隠してしまおうかと思っています。
(下の写真をポイントしてください)
パーゴラの樋からの水 濾過槽からの水
 池の水質改善という目的でしたから、余裕を持って考えたり、材料を探したりする暇がありませんでした。一日も早く、鯉に新しい水を供給してやろうと急いでいました。正直言って、でき映えは良くありません。機能的にはいいんですが、見た目がねえ。なんだか無理やり、後で付けた感じがします。また今度ゆっくり考えようと思います。とりあえずは一件落着です。はあ〜、やっぱり屋根の基本に立ち返って、樋を最初から付けておけばもっと格好良くできただろうに…。

2000年10月7日掲載

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