message 盆栽の春   (テーマ5 木と草花を楽しむ 草六)


新芽をめでる

 盆栽をやっていて良かったと思う季節は春です。二月の末頃から三月中は休日ごとに植え替え作業で太腿が張りますが、それが済むとうきうきとしてきます。
 何が楽しいって、新芽が出てくるのを見るのが楽しいのです。毎日変化があって気を抜けない楽しさがあるし、美しいものです。樹種によって、新芽が出る時期は少しずつ違います。同じ樹種でも(親が一緒でも)違います。カリンやバラは早いし、コナラやネムノキは遅い。偉そうには言えませんが私の育て方はいい加減で、冬の間は何の木かわからなくなってしまうことも多いのです。なにせ、盆栽を始めてまだ数年、種から育てているものが中心ですから、まだマッチ棒みたいな細い木ばかりですからね。そんな細い一本棒を見ても、葉っぱがついていなければ区別がつきません。小さな新芽が出てくると、おおっ、これはウメモドキだったか、という調子でうれしがっているのです。
 その新芽がとてもかわいいのです。最初からあの小さな形をしているイチョウの新芽は、葉っぱが開くまではまるでキャベツのようです。羊羹みたいなうす紫色をしてやわらかいムベは一日で十センチも一気に伸ばします。まるでロウソクの炎みたいに先っぽが赤くて、どういうわけか空を向いているサネカヅラの新芽。真っ赤なプツプツの点ができたなと思っていると、その点がだんだんオレンジ色になって大きくなり薄緑に変っていくザクロの新芽。銀色の粉を被ったようなモスグリーンのコナラ、など。それらが毎日違う様子を見せてくれるのです。
 もちろん、この季節は庭の木々も同じように新芽をふくらませているし、山の木々も日々変わっています。新芽の様子は、盆栽でも庭の木も山の木も街路樹も同じでしょうが、自分の木は特別なのです。手のかけ方が違います。それに丹念に手にとってつぶさに見ることが盆栽の楽しみですからね。観察の量も質も違うわけです。
 植え替えがようやく終わって新芽が伸び出すとすぐに、アブラムシがつくので殺虫剤を吹きつけます。とはいえ私は木を薬漬けにしない方です。ものの本に載っているほど薬散はしません。怠慢=合理的です。そして樹形を整えるために伸びすぎた新しい枝先を摘みとります。とくにカエデ・モミジ類とケヤキ、アキニレには注意。毎晩の見まわりはこのためです。


春の花

 極小の木でもいっぱしに花を咲かせるものがあります。早春に花を咲かせるものとして、レンギョウやジンチョウゲ、ウメ、トサミズキなど。春の盛りになると、ユキヤナギ、ボケ、ミニバラ、ツツジ類、といったものが咲きます。私も花物をいろいろともっているのですが、ほとんどが種から育てているものですから、まだ一回も咲かないものもあります。例えばロウバイ、カリン、フジ、ヒメリンゴ、ウメモドキ、ザクロ、ノイバラなど。今年は何の木に初めて花が咲くのか、これも楽しみのひとつです。
 盆栽は年寄りくさいなんて言わないで、ひと鉢でいいので育ててみるとおもしろいですよ。思い出の木が大人になっていく様子というか、古びていく様子というか、が楽しめます。盆栽といえば、松や梅やサツキを思い浮かべるでしょうが、盆栽の世界は決してそんな狭いものではありません。どんな樹種でも盆栽になるのです。小さな鉢のなかに自然の風情を見るココロがあれば、盆栽は楽しめるわけです。リビングのテーブルの上に十数センチのケヤキの盆栽が飾ってあれば、お客さまを驚かせることができますよ。
 少し前から、海外でもBONSAIは知的な趣味として若い人に認知されています。海外の小説のなかにも出てきます。ベルリンの繁華街には、BONSAIと書いた大きな看板のある店があるくらいです。日本でも、最近は若者向きのトレンディな雑貨屋さんでミニ盆栽が売られていますね。


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