message テーマ5 木と草花を楽しむ 草七 つる性植物を見直す | ||||||||||||||||||||||||
一級建築士・インテリアデザイナー・ガーデンデザイナーの庭づくり講座/ガーデニングデザインメッセージ集 | ||||||||||||||||||||||||
庭のフェンスがむき出しのお宅が多いですが、もっとつる性植物を活用しましょう。ラティスにツルバラというパターン化された使い方だけでなく、庭の緑を立体的に見せるつもりで見渡してみると、つる物を活用する余地はまだまだあります。地面に這わせるグランドカバーとしての使い方もあります。つる性植物は、垂直であれ水平であれ、面としての使い方があるわけですから工夫のしがいがある植物なのです。 花を楽しむなら 花を楽しむのなら、品種の多いツルバラが筆頭です。クレマチスも人気。ジャスミンが満開になったときは薄紅色の雲のようで、いい香りが漂います。玄関まわりをジャスミンのアーチにしている焼き鳥屋さんがありますが、格好いいですね。花を楽しむつる性の植物はたくさんあります。 ブドウは実利も楽しみもある樹種です。スペイン風やフランス風の庭なら必須ですね。大きな葉っぱがデザイン的に扱いにくいかもしれませんが、木そのものを小さく仕立てられます。アケビやムベもおもしろいと思います。私の通勤途上に、フェンスにムベの実を鈴なりにしているお宅がありますが、うらやましくて仕方がありません。 野趣あるものも… スイカズラ、チョウジカズラもお勧めです。花期が長くて香りもいいし、成長が早い。ことにスイカズラは金銀花ともいって、咲き始めは白い花がしだいに黄色くなり、満開の時期は白い花と黄色い花が咲き乱れ、とてもきれいです。これらは野草を扱っているお店でも売っていますが、近郊の山道にもいくらでも生えていますので、採種か挿し木にしましょう。イタビカズラも、常緑の密度のある葉っぱに利用価値があると思います。山の中や田舎の家の石垣などに生えています。 ヒョウタンは楽しさ抜群で、見た目がおもしろい。ヒョウタンの種とりはとても面倒で、普通は軒下で充分に乾かしてから針金などで中身をシコシコと掻きだす辛気くさい作業です。テレビでも見ながらの退屈しのぎにどうぞ。子どもの忍耐力を育てるのにもいいかも。 あるいはヘチマはいかがでしょう。二階のベランダくらいまでなら簡単に登り、充分な日陰を提供してくれます。 つる性植物は一般的に成長が早いものです。放っておくととんでもないところへあっという間に伸びていきます。山の中でもアケビが他の木の幹に巻きついて食い込んでいるのはよく見かける光景です。すぐにはびこることを前提にして植えてください。つる性の木は伸ばしたままにすると途中に葉っぱがなくなり、先の方だけが茂りがちです。適宜剪定をして下の方から新しいつるを出させ、誘引してやる必要があります。また、吸盤で登っていくもの(ナツヅタなど)は、引きはがしたときに汚くなりますから、とくに早め早めの剪定と誘引が大切です。 このメッセージは この本に掲載されています。
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