3message テーマ1 常識を疑う 常五 テラスの可変性 | ||||||||||||||||||||||||
一級建築士・インテリアデザイナー・ガーデンデザイナーの庭づくり講座/ガーデニングデザインメッセージ集 | ||||||||||||||||||||||||
ウッドデッキの人気は留まることがないようです。アウトドアリビングとしてブランチに利用されているお宅もたくさん見かけます。ベンチやテーブルとセットになったウッディーなシステムが売られています。ちょっとがんばれば日曜大工でも製作できるということで、やる気を出している人もいるでしょう。土のままではない、ウッドデッキやテラスなど、庭の中の硬い地面のことについてお話しします。ひっくるめて「テラス」と言っておきます。 テラスの価値 庭の芝生をテラスに変更する人が多く見られます。子どもの遊び場だった芝生や砂場を、もっと大人も楽しめる庭に変更しようということですね。あるいは芝生の手入れが大変で、という方もいます。テラスの上ならテーブルを出してもちゃんとするし、大工仕事や鉢花の植え替え、リクライニングチェアでの昼寝など、使い方によって庭での活動の幅が広がります。庭を楽しむためには、できるだけ庭に出る機会が多いほどいいわけですから、その「楽しみの拠点」になるテラスをつくることに大賛成です。 気が変わればどうする では、どのようなテラスをつくるか。コンクリートでつくる(コンクリートそのまま、洗い出し、タイル張りなど)、レンガやインターロッキング敷きにする、石敷きやコンクリート平板敷きにする、枕木を敷き並べる、ウッドデッキを設置するといったことが挙げられます。どれを選ぶかは好みの問題ですが、念頭に置いておきたいことは将来の変更のしやすさです。可変性あるいは柔軟性です。 考え抜いてテラスの位置と大きさを決めても、何年かすると変えたくなってきます。例えば、もっと花を育てる場所が欲しい、もっとテラスを広くしてたくさんの人を呼んでパーティをしたい、リビングから草花を眺められるように位置や形を変えたい、犬を飼い始めたので水を流して洗えるようにしたい。そのほかにもいろいろと庭のレイアウトを変えたいという場面が生じます。庭のレイアウトは、植物の成長や家族構成の変化や、庭での楽しみ方が変わったりすることによって変更したいものです。気分転換に模様替え、ということもあるでしょう。どんなときでも応用がききやすいテラスの位置と材料を選びましょう。 何かを敷いて伸縮自在に そういった変更に最も融通がきくのがレンガ敷きですね。モルタルで固めず、土ぎめや砂ぎめで施工してあれば、簡単に敷いたりはがしたりできます。 一方、コンクリートでつくる利点は強度が高いことと水洗いが簡単だということ、自由にタイルや石が貼れることです。とくにタイルは国内産、外国産ともに無数の種類があり、庭のデザインのハイライトと言ってもいいでしょう。しかし大面積のコンクリートのテラスを撤去したいということになったら、ことは大変です。そこで、コンクリートを打ってテラスをつくる場合には、核になる部分を小さめにコンクリートでつくっておいて、そこに連続してレンガや敷石を継ぎ足していくという方法はいかがでしょう。そうすればテラスは伸縮自在になります。 レンガ敷きの部分や石敷きの部分などをさまざまに組み合わせて、平面的なパターンとしてデザインすれば楽しいですね。自然石や各種レンガ、コンクリート製や木製など多様な敷石が売られています。海岸で拾ってきた大きめの白い石を敷き詰めたりするのもきれいですよ。私はある日、傷んだ木橋の床板を取り替えている現場に出くわしました。トラックの荷台に新しい床板の切れ端や古い床板がたくさん載っていましたので、職人さんに頼んで何本か頂戴しました。みなさんも庭の個性を出すために、いろんなところで使えるものはないか探してみましょう。 ウッドデッキはどうか ウッドデッキの場合、同じシステムで継ぎ足していくこともできますし、移動することもできます。しかし大規模な作業だと、なかなか面倒なことになりそうです。よほどの意志がないと結局はそのままに……。将来も絶対に動かすことがない場合はいいのですが、数年後に配置や大きさを変えるかもしれないという場合には、ウッドデッキの設置は我慢しておいた方が無難かもしれません。庭を楽しむには地面のテラスの方が、変更に対応していけるという点で融通がきくわけです。 このメッセージは この本に掲載されています。
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