3message テーマ1 常識を疑う 常三 建物の外観と庭のイメージ | ||||||||||||||||||||||||
一級建築士・インテリアデザイナー・ガーデンデザイナーの庭づくり講座/ガーデニングデザインメッセージ集 | ||||||||||||||||||||||||
「庭のデザインは家の外観に調和したものを」と言う人がいます。そのとおりだとは思いますが、絶対的なことですか? むしろ、反対できない無難な意見を無責任に発言していると感じてしまいます。 優先すべきは? 何でもありの在来工法で、かつ自由な設計で家を新築し、同時に庭づくりもするということなら、庭と建物のデザインを統一することができるでしょう。でも、そんなチャンスは誰にでもめぐってくるでしょうか。 今の日本の住宅供給システムでは、「本当に気に入った外観」の家を手に入れるのはたやすいことではないですね。まず、本当に自分が気に入る外観デザインはどのようなものでしょうか。ぴったりくる物件は、探せば容易に見つかりますか。見つからないなら、まず土地を手に入れて建築専門雑誌などからこれぞと思う建築家を選んで設計を依頼し、建設会社にその図面を持ち込んで見積もりをとり……、ということになります。残念ながら、なかなかそこまでは……。つまり、大多数の人は建物の外観については妥協しているのです。 それに、家を建てたり購入したりするときに重視する事柄の優先順位はどうでしょう。多くの人にとって建物の外観より、コスト、交通アクセス、広さ、間取り、内部仕上げ、町のイメージ、などの優先順位の方が高いのではないですか。建物の外観なぞにこだわっていられないのです。結果として建築を供給する側も、無難で万人受けする外観でお茶を濁すということになります。 庭づくりは自己流で 庭のデザインや植える木は、家の外観にマッチしている方がいいに決まっています。しかし、もし家の外観があまり気に入っていなかったり、妥協的気分だったりしたらどうしますか? 庭づくりのイメージに合わせて建物の外壁をつくり直しますか? それとも気に入らない木を植えますか? 完全なミスマッチでさえなければ、庭はお気に入りのデザインでいいのです。「家の外観に合わせて」などという無責任発言をありがたがらずに、庭づくりを「自分流」に楽しむことを始めましょう。幸いなことに、今のハウスメーカーや工務店の建物のデザインはとてもニュートラルなものです。和洋のテイストがあるといっても、象徴的な香りとしてとり入れているだけですから、庭のイメージがどのようなものであっても、とんでもない違和感はないはずです。 とはいえ、どうしても建物と庭のデザインを少しでも合わせたいときには、どうすればいいでしょうか。 建物と庭の部材の素材感、あるいは色を合わせることがポイントです。宅地全体として統一するように気を使ったことが一部分でも見えれば良しということです。極端に言えば、カーテンの色を庭にもち込むなりして統一感を出した気分になってもいいのです。 このメッセージは この本に掲載されています。
|
|
|||||||||||||||||||||||
メッセージインデックス 自分流に愉しむ気ままな庭づくり ホーム 庭づくりメッセージ&講座 気ままなミニ盆栽 気ままな庭(My Garden) ドロのこころだ(ブログ) 英国風景庭園ミステリー「水霊の巫女」 甘南備山逍遥 書籍紹介:自分流に愉しむ「気まま」な庭づくり プロフィール 清水計画室 |
||||||||||||||||||||||||