message テーマ4 自分流に日々を楽しむ 楽四 極小の景 | ||||||||||||||||||||||||
一級建築士・インテリアデザイナー・ガーデンデザイナーの庭づくり講座/ガーデニングデザインメッセージ集 | ||||||||||||||||||||||||
五〇坪から七〇坪くらいの敷地であれば、建物のまわりにいくつかの小さなスペース、単純に言うと玄関まわり、裏庭、家の両サイドのスペース、駐車スペースや勝手口まわりのスペースができます。それぞれを有効な庭として利用していますか。庭は、奥行き五〇センチもあればつくれます。小さな部分も大切にしてセンス良く充分に手がかけられているのを見ると、庭の品格というか、住む人の愛情というか、そんなことを感じます。 家まわりの通路を利用 例えば、風呂はどんなスペースに面していますか。お隣との間の通路ですか。では、その風呂前のスペースは庭としてつくれませんか。覗かれないように塀をして、日陰に耐えるカクレミノなどのひょろりとした木を植えてみてはどうでしょう。木を植えるスペースはなくても、塀に這わせるツタを植えるスペースならありますね。ハンギングを掛けるのもいいでしょう。白い砂利を敷いて、少し下草を植えると見違えるようになります。風呂の窓から見える位置にビューポイントをもってきて、照明を入れて楽しみましょう。明るい花いっぱいの主庭と同じように、細い通路のようなスペースも大切にして、庭づくりを精一杯楽しみたいと思います。 勝手口のまわりはどうでしょう。洗濯物干しの横や自転車置き場や、物置の脇や水栓の足元です。こういったところは通常、道往く人には見えないようにしますが、そこにも小さな植栽スペースをつくりましょう。あるいは、このスペースは苗づくり中のものを置いたり、観賞時の過ぎた鉢ものの置き場所になるかもしれません。いろいろなときに重宝します。 カーポートや門の脇 駐車スペースに目地を切り、タマリュウなどを植えると見栄えが良い、というようなことはガーデニング雑誌などにもよく紹介されています。設計段階に考えておきたいことです。もう一歩進んで、その脇に小さなまとまった植栽スペース(土の部分)をつくりましょう。なんとなく間があいていて、プランターなどを置いてしまいそうなスペースはありませんか。そこです。三〇センチ四方程度の余裕さえあれば、小さくても大切な「庭」をつくれるスペースです。駐車場をつくるときに、土の部分を残しておきさえすれば、楽しみが増えます。プランターならいつでも置けるのです。 門のまわりやアプローチに寄せ植えのプランターが置いてあっても、きれいに飾っていますね、ということになりますが、ディスプレイという感を免れません。これに比べて、土の部分に下草が生えていて、そこに鉢が置いてあれば、「景としての庭」になりますね。もちろん寄せ植えの楽しみやお手軽さは同様にできます。その小さな植栽スペースに平たい石を置いて、その上に鉢を置けば、鉢がないときでもサマになります。 石垣の足元 家のまわりの塀や石垣の足元はどうなっていますか。道路舗装と数センチの隙間があれば、タマリュウやササ、マツバギク、タマスダレなどを植え込むことができます。隙間をモルタルで詰めてしまうのは、あまりにも芸がありません。緑で敷地の縁取りをしましょう。石垣の上からは、つる性のものを垂らして。そうするとたとえ無粋な石垣でも景色になります。 庭づくりをメインの場所(アプローチや主庭)だけでするのでなく、隙間のようなところにまで手をかけていると、庭の緑に連続感ができます。庭観賞の一巡コースができるというわけです。もちろん、庭には必ずしも植物を植えるということではありません。緑のない庭もたくさんあります。しかし、小さなスペース、例えば一メートル角のタイル貼りのスペースは庭とは呼べませんが、植物がひと株でも植わっていると庭に見えるものです。 このメッセージは この本に掲載されています。
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