message テーマ4 自分流に日々を楽しむ 楽一 光と影の移ろい | ||||||||||||||||||||||||
一級建築士・インテリアデザイナー・ガーデンデザイナーの庭づくり講座/ガーデニングデザインメッセージ集 | ||||||||||||||||||||||||
庭の変化を楽しむというと、まず季節の変化を思い浮かべますね。そして、一日のうちでも庭に変化をもたらすもの、それは光です。夜明けから日中、夕方、そして夜の照明、月明かり。 太陽の光の変化につれて、影も変化していきます。光のあたっている陽の部分と陰の部分があって、庭に奥行きが増し、いろいろなものの輪郭がはっきりするのです。 光と影を楽しむ さて、光の移ろい。どんな光があたっているのかは、とりもなおさずどんな影をつくっているのかということです。光の移ろいを楽しむとは、影の移ろいを楽しむことでもあるのです。「かげ」といっても、陰と影があります。「陰」は物の光のあたっていない方の面で、「影」は光がものに遮られてできたものです。 陰になる塀 南側の庭の場合、建物側から見る正面の生垣や塀は逆光となり、シルエットの「陰」になります。生垣や塀は、沈んだ感じの庭の背景となり、手前の、日のあたっているところに咲いている草花が浮き立ちます。それが黒い塀だと、背景としてより効果的に、手前の草花が鮮やかに見えることでしょう。 また、背の高い塀に縦長のスリット(細長い隙間のこと)を設けると、そこから入る一筋の光が、光そのものの存在感を鮮明に見せてくれます。光そのものを観賞するには、白い塀が最適です。陰影がはっきりするからですね。 影を落とす 太陽の光がふんだんに降り注ぐ庭で、光の移ろいとともに影の変化を楽しみましょう。時間の経過によって、光と影が移動していくさまを楽しむのです。そんなものがなぜおもしろいのか、という方は庭の美しさを見る修行が足りませんね。リビングの前に植えた樹木の幹の影、枝や葉の影がテラスに落ちて、徐々に移動していく。あるいはリビングに影が落ちてくる。風が吹いて、その影もちらちらと動いているかもしれませんね。そういうものを見ているときに庭の豊かさを感じませんか。 時間帯と光の方向 水盤や睡蓮鉢の水が反射する光。小さな水面でもうまい位置に置くと、反射した光が、光の揺らめきとなってリビングの天井をぽっかりと照らします。 余談ですが、庭の写真を撮る時間帯はいつがいいでしょう。風景写真でもそうですが、朝早くか夕方です。つまり、陽光が横からさしているときは、陰や影になっている部分の面積が大きいからです。風景や諸々のものの形にメリハリがつき、立体的に見えるわけです。山の写真だと、たくさんの地形的な山のひだが現われ、豊かで大きな山容が表現できます。ポートレイトもそう。照明を顔の少し斜め前からあてた方が、鼻が高くて美人に見えますね。庭も同じです。説明用の写真ならともかく、きれいに見せる写真は、時間帯と光の方向をよく考えて撮りましょう。 このメッセージは この本に掲載されています。
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