message テーマ2 想像力をふくらませる 創九 例えば花博記念公園 | ||||||||||||||||||||||||
一級建築士・インテリアデザイナー・ガーデンデザイナーの庭づくり講座/ガーデニングデザインメッセージ集 | ||||||||||||||||||||||||
少し古い話になりますが、平成二年に大阪の鶴見緑地で大阪花の博覧会が開催されました。現在もその跡地は大きな公園になっています。私が以前住んでいたところが、その近くでしたのでよく遊びに行きました。 各国庭園の今 大阪花の博覧会の開催中には世界各国のモデル庭園が展示されていました。それらは今も展示されています。もちろん博覧会の期間中はイベントですから、常にベストの状態を見せるために、花はビニールポットに入れたまま土中に埋めて見せ、どんどん変えていくという方法がとられていました。これは平成十三年に開催された淡路花博の温室でも同様でした。イベントだから仕方ないとはいえ、わざとらしさというか、嘘くささは否めませんでした。 現在の大阪の花博記念公園では、展示としての当時の庭の骨格はそのままにして、日常的な管理で維持していける庭になっています。つまり、イベントとしてのディスプレイではなくて、普段の庭になったわけです。もちろんプロが管理しているわけですが。私は今の状態が気持ち良くてとても好きです。 各国の庭は広めの個人住宅の規模ですから、庭のつくり方とかイメージやデザインをつかむのに参考になります。もう博覧会終了から年月も経ち、落ち着いたいい庭になっています。華やかさはありませんが、あちこちとめぐっていると、大げさに言えば自分の庭のようにいとおしく豊かな気分になってきます。手が込んでいないのが、また風情があるのです(残念なのは夜になると閉鎖されてしまうことです)。 私たち家族は近所の子どもたちも連れて何度も訪れました。今日はこの国のテラスでお弁当を食べようとか、ボール遊びをしようとか、たわわに実ったブドウを食べようなどと言って、一日中過ごしました。単に庭を眺めるだけでなく、自分の庭でするように遊びました。 季節が変わると雰囲気もがらりと変わります。例えば、熱い地方の国の庭は冬にはがらんとして寂しくなって、やはり日本では合わないな、と思ったりします。また、珍しくておもしろいと思っていても、何度も訪れているうちに飽きてしまった庭もあります。もちろん、行けば行くほどなじんで、好きになる庭もあります。 何度も訪れる・体感する 大阪の花博記念公園の紹介をしましたが、そこに行きましょうというお誘いではありません。みなさんの身のまわりにも、いい公園や庭があるでしょう。植物園などもいいです。こういったところにできるだけ出かけて、じっくり見てまわる、時間が許す限りそこで過ごす、おやつや弁当を食べたり、スケッチをしたり、子どもと遊んだり、昼寝をしたり。そして季節を問わず、何度も訪れてその庭の、あなたにとっての居心地の良さを体感しましょう。ご自分の庭での過ごし方を、そこで実践してみるのです。旅行先でも、そういう庭園に立ち寄りましょう。そして人気のお店などに行かずに、そこで弁当にしましょう。雑誌に載っているイメージ写真を眺めているより、よほどそうして体感する方がためになりますよ。 このメッセージは この本に掲載されています。
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