message テーマ5 木と草花を楽しむ 草三 グランドカバーに使うもの | ||||||||||||||||||||||||
一級建築士・インテリアデザイナー・ガーデンデザイナーの庭づくり講座/ガーデニングデザインメッセージ集 | ||||||||||||||||||||||||
なんとなく殺風景な庭を、ワンシーズンで見違えるように完成されたように見せるには、グランドカバープランツ(グランドカバーと略されることが多い)の利用が手っとり早いでしょう。グランドカバーとは読んで字のごとく、地面を覆うもの。土のままより砂利を敷くとそれだけでさまになるように、緑で覆うとたちまち格好がつきます。 手間をかけずに緑の庭に 庭が広くて、あるいは手間をかけられなくて、でもそれなりにさまになった庭をつくりたいといったときは、グランドカバーの出番です。比較的早く、緑量の多い庭園になります。雑草対策にもなります。手間をかけずにさまになる点で、オフィスビルのオープンスペースや都市公園で大規模に使われています。 グランドカバーという場合は、いろいろなものを混植するのではなく一ないし数種類をパターンとして植栽します。グランドカバーに向く植物とは、比較的早くマット状に広がる、手間がかからない、背丈が高くなりすぎないものなら何でもいいのです。地面を覆うものだけでなく、垂直の壁をカバーするつる性植物もグランドカバーと呼ぶこともありますが、ここでは平面を覆うものだけについてお話しします。 目的から考えると、常緑のものを使うことがほとんどです。低木や宿根草、つる性植物、笹、シダ、コケ類などです。最もよく使われているのは芝。そしてコクマザサ、ヘデラ。タマリュウもおなじみですね。背丈の目安は、一般的にいうグランドカバーは五〜五〇センチくらいですが、個人住宅の庭の場合は(剪定を前提にして)三〇センチ以下にしないとうっとうしくなります。 植物の特長を活かす 例えば、どんな植物があるでしょうか。私の家のまわりにあるものを列挙しました。普通にみなさんも目にされているものです。 木本類では、ハイビャクシン(成長は遅いが独特の風情、お金がかかっているように見える、種類が多い、手間いらず)/メギ(棘あり、赤い葉)/フィルフェラオーレア(黄色っぽい葉のコニファー)/コクチナシ(白い甘い香りの花でおなじみ)/コトネアスター(冬の赤い実が愛嬌、ロックガーデンにも似合う)/ヒペリカムカリシナム(黄色い大きな花)/セイヨウイワナンテン(斑入りの葉と赤い茎、どんなスタイルの庭にも合う)/フッキソウ(日陰OK、世界に誇る日本原産)などなど。 一方、草本類では、アジュガ(青い花の群落、冬の間も葉がある)/ギボウシ(イングリッシュガーデンとともに大流行)/ツワブキ(冬場の黄色い花は貴重)/マツバギク(鮮やかな花が絶え間なく咲く、石垣の上などに植えると垂れて見事、過湿に注意)/シバザクラ(鮮やかな花のマット)/フイリヤブラン(斑入りの葉が明るい、薄紫の花と黒い実)/セダム(薄緑のマットに黄色い小花、やわらかな感じ、乾燥に耐える)/クローバー(芝生のなかに、一叢二叢あってもいい)/カタバミ(種によっては花を楽しむグランドカバー)などなど。 こうして挙げてみるといくらでもあります。いろいろあることがわかっていただけたらいいのです。お気に入りのもの、例えばヒメシャガでもタマスダレでもテイカカズラでも、一面に植え込みます。ヘデラやリュウノヒゲが目立つのは、それらが強靭で価格が安く日陰に耐えるので、ビルの足元などをなんとか緑化したくて選ばれていることが多いからなのです。 地面にアンジュレーションをつけて、うねうねと続く丘陵のイメージにしたり、フラットにして真四角な緑のマットというデザインもあります。 このメッセージは この本に掲載されています。
|
|
|||||||||||||||||||||||
メッセージインデックス 自分流に愉しむ気ままな庭づくり ホーム 庭づくりメッセージ&講座 気ままなミニ盆栽 気ままな庭(My Garden) ドロのこころだ(ブログ) 英国風景庭園ミステリー「水霊の巫女」 甘南備山逍遥 書籍紹介:自分流に愉しむ「気まま」な庭づくり プロフィール 清水計画室 |
||||||||||||||||||||||||