message テーマ4 自分流に日々を楽しむ 楽三 演出的ライティング | ||||||||||||||||||||||||
一級建築士・インテリアデザイナー・ガーデンデザイナーの庭づくり講座/ガーデニングデザインメッセージ集 | ||||||||||||||||||||||||
夜の庭は単に明るいだけでは物足りません。空間を明るくする機能的照明ではなく、空間を美しく見せる演出照明を考えましょう。 アッパーライト 地面際のライトで樹木を下から照らすときの留意点は、背景が暗いこと。どのライティングにおいても大切なことですが、とくに落葉樹をアッパーライトで照らす場合には絶対です。ひらひらした薄い葉っぱや紅葉を照らしたり、冬には細かく分かれた枝を照らして楽しむわけですから、背景に明るい光源があったり、あるいは後方の白い壁に照明があたっていたりすると、せっかく照らしている細かい枝がその背景の明るさに埋没してしまうわけです。暗い空に、ライトアップされた木が浮き上がって見えるのが最高にきれいですね。 横なぐりの光 例えばゴールドクレストをライトアップするには、横からの強い光がきれいです。幾何学的な造形を強調するには、立体感を出しやすい横からの光が効果的です。光があたっている部分と、陰になっている部分にメリハリがつき、物の形がはっきりと浮き立ちます。地面に長い影ができて、昼間とは違う庭の景の変化を見せることができます。 地を這う光 背の低い小さな花や下草、あるいは苔むした地面の起伏を強調したいときには、地面すれすれで、上方に光をこぼさない照明が効果的です。光のマットをつくるわけです。これも背景に明るい壁などがなく闇の世界というくらいの方が、視線を地面に釘づけにすることができます。この照明方法は、空間全体に落ち着いた雰囲気をつくることができますし、ごく狭い庭でも採用できます。ただし、近くにあるツツジなどの灌木の、黒々とした下枝を照らし出してしまわないように注意します。 ウォールウォッシャー ウォールウォッシャーとは、壁際ぎりぎりに設置した照明器具から、壁に光を流すように照らして、空間を明るくする方法です。もちろん、壁は照らされるにふさわしい表情をしていることが必要です。明るい色の壁が効果的です。照明器具からの直接の光が目に入ってはいけません。手前に置いた壷などのオブジェや草花がシルエットで見えると、空間に奥行き感が出ます。 これら以外にも、スポットライトを使って「ぽんっ」とした光のたまりをつくったり、灌木の中に照明器具を隠してちらちら見える光をつくったり、いろいろな演出方法があります。いずれも共通して言えることは、照明器具をむき出しにしないことと、陰影を効果的に活かすことです。はっきりと暗い部分がないと明かりが活きてきません。光の色にも注目しましょう。照明器具はメーカーカタログのエクステリアのラインナップから選びます。カタログは造園業者や建築業者や設計者は持っていますし、街の電気屋さんにもあるでしょう。 格好良いライティングは、オープンスペースに力を入れている大規模マンションやホテルの庭を見に行きましょう。防犯重視で明るすぎるところではなくて、上手に夜を演出しているところを見てまわると参考になります。 このメッセージは この本に掲載されています。
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