message テーマ4 自分流に日々を楽しむ 楽七 色の指定 | ||||||||||||||||||||||||
一級建築士・インテリアデザイナー・ガーデンデザイナーの庭づくり講座/ガーデニングデザインメッセージ集 | ||||||||||||||||||||||||
色は身のまわりにあふれているのに、名前がついているものはごくわずか。その名前も大雑把なくくりでしか表現していません。日本の伝統色など、粋な名前がたくさんありますが、正確にこれは何色と言える人には会ったことがありません。 さて、業者に注文してオリジナルデザインのラティスをつくってもらったり、コンクリートブロックの塀に吹き付けをしてもらったりするときの、色の指定の仕方についてお話ししましょう。 色見本帖 通常なら、業者が何色かの標準色の見本を持ってきて、その中から選ぶことになります。もっと突っ込んで、こだわりをもって色を選定してみましょう。 塗料メーカーは色見本帖という冊子を製作しています。それを持ってきてもらうのです。普通は数千色のカード形式になっていて、色ごとにそのメーカーが決めた色番号がついています。マンセル記号もついているかもしれません。色見本帖を借りておいて、じっくり選定すればいいのです。日が照っているとき、雨のとき、夜は、あるいは他のものの色合いとの相性はどうか、などを検討して色を選びます。選んだ色が標準色でなくても、若干のコスト高になるかもしれませんが、メーカーはつくってくれます。そして、実際に塗る部分の表面の状態によって見え方は違うので、塗るものと同じ素材に試し塗りをしてもらいます。できれば何色か近似色のサンプルもつくってもらうと、選びやすくなります。色は口では説明しにくいですから、実物の色を見た方が早く決めることができます。 街を歩いていて、気に入った色があればその色を指定するということも可能です。写真を撮ってきても、まったく同じ色は絶対に出ませんよね。ぜひ色見本帖を持って出かけましょう。その場でカードをあて一番近い色のカードを探します。そしてその番号を注文すればいいのです。 いかがです? 楽しそうでしょ。悩むことが増えるでしょ。 見本帖で見かけるマンセル記号とは、色を表現するのに、色相、明度、彩度の三つで表わしたものです。色合い、明るさ(いわば白黒度)、鮮やかさ(色の濃さと明るさの組み合わせ)の三つです。それを記号と番号で表わしているのがマンセル記号です。この記号を伝えることによって色を指定することもできます。でも同じマンセル記号でも、微妙に幅があることは認識しておきましょう。 画材屋(絵画、書、デザイン等の道具屋)に行けば、配色カードというものを売っています。メーカーの色見本帖と同じようなものです。最初にそれを使って、こんな感じの色、というイメージをつかんでおくのもいいかもしれません。身のまわりで見かけない色は、なかなか思い浮かばないからです。 アースカラー 読んで字のごとく地面の色がアースカラー。土や石や砂の色。そういった系統の色グループのことです。もっと広義に、大地の遠景の色合いまで含めてもいいでしょう。遠くの山の色は青や緑であっても、くすんで見えますね。あれです。 アースカラーがもてはやされるのはなぜでしょうか。土となじみやすい、背景として使いやすいからです。そして古びて見えるからです。でも、何でもこの系統の色でつくればいいかというとそうではありません。明るくさわやかな庭をつくりたいこともあるでしょうし、無彩色でクールな雰囲気にしたいこともあるでしょう。アースカラーは無難ですが、狭くて暗い庭では配色にもっと明るさが必要かもしれません。 ブロックに色をつける ひとつ実践版を紹介しておきましょう。無粋なものの代名詞、コンクリートブロック。それをお化粧してみましょう。まずブロックを水洗いし、表面の埃や苔などをきれいに落とします。そしてモルタルを塗り付けます。完璧に平滑に仕上げようとするより、コテやハケやクシなどで模様を付ける方が簡単ですし、風情も出しやすいものです。乾いたらコンクリート用の塗料を塗ります。すると、今までの安物のブロック塀が見違えるようになります。鮮やかな色、例えば薄い鮮やかな黄色などを塗れば、今まで見慣れたブロックの色との対比が鮮やかで、やった甲斐があるし、近所の人も目を見張ることでしょう。 最初から、色付きモルタルを塗り付けることもできます。そのままの仕上げでもいいですが、下の地の色がわずかに出るように違う色の上塗りをすれば、さらにおもしろい効果が期待できます。上塗りの方法は、例えば、塗ってからタオルなどで所々ふきとって地を出す、あるいはブラシで擦るとか、工夫して試してみてください。もとはコンクリートブロックの塀だとは想像できないほどの仕上がりになるでしょう。安く仕上げたいからといって、化粧ブロック(リブ付きブロック)で塀をつくるより、普通のブロックでつくって後で塗装する方が、どれだけさまになるでしょう。楽しいし、オリジナルです。 このメッセージは この本に掲載されています。
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