感想メールのご紹介(けやきさん)
一級建築士・インテリアデザイナー・ガーデンデザイナーの庭づくり講座/ガーデニングデザインメッセージ集


 今回は、本 自分流に愉しむ「気まま」な庭づくり に対していただいた感想メールをご紹介します。

 お寄せいただいたのは、読者の「けやきさん」です。けやきさんはプロの庭づくりデザイナーです。プロのデザイナーも、一例として、こんなことを考えながら、こんなことにも悩みながら、一生懸命提案をされているということを知っていただきたく、ご紹介することにしました。(少々長いですが……)


 なお、けやきさんのサイトはこちらです。

この色の部分がドロアシの返事部分です)



一通目

常識を疑うの項について。

まず、私の今までの考え方に一喝をいただいたのは、家のデザインにあった庭という考え方が必ずしも正しくないということです。
そうですね。確かに施主さんの意見が反映された家が多いかというとそうじゃないことが多いようですね。それならば、施主さんの好みにあったインテリアから庭の好みのスタイルを想像する・・・なるほどなーと思いました。その方が庭にもバラエティーが生まれますし、なによりもより施主さんの求めているスタイルを追求できますよね。勉強になりました。

これはいつも思っていることですね。
そもそも、建物とマッチした、という言葉のなんと虚ろなことか。誰も反対できないけど、そんなことってどれくらいあるの? 言葉の甘さに安心しているだけじゃないの? あっ、もういいですね。くどいですね。

次に可変な庭ということですが、このことはさすがに私たちの立場ではないですよね。ガーデニングを気軽に楽しむ施主さん本人に向けた言葉だと思います。

えっとですね。そうでもないと思っているんですよ。

確かにお考えとしては柔軟で着せ替えタイプな気軽なスタイルですが、私たち(プロ)がこのスタイルを推奨するのは2,3年で土きめのレンガ敷きに起伏ができるなど、強度的な問題があります。強度を得るにはどうしても頑固な施工、重い素材となってしまいますから。お考えとしては新しい発想でおもしろいと思いますし、私たちもこのような提案ができれば庭の考え方に幅が出るとは思うのですが、なかなか難しい部分が残るようです。これは私の宿題として日々注意深く観察し、考えてみたいと思います。

というのはですね、施工するものとしては、カチンとしたものを提供するのが本来の仕事ですが、設計、つまり、施主に提案するという立場のものとしては、何を提案するのかということです。施主が求めているものが何かということです。施主自身もわかっていないかもしれません。どう引き出してあげるのかということです。
建築でもあることなんですよ。今、スケルトン、インフィルの議論がありますよね。つまり、変っていくもの(変えていくもの)と変らないもの、の区分けの話。例えばインテリアなんて、趣味の変化や家族構成の変化や、ライフスタイルの変化によって変えていきたいものです。間取りであれ、仕上げであれ、設備であれ、ね。
庭においても、そういう考え方があってもいいんじゃないかな、と思うわけです。つまり、骨格として変っていかないものと、変化していくものが、あるんじゃないかなと。
でも、それについて、施主がきちんと考えていることって非常に少ない。もっと金がかかる建築でさえも、ほとんど、考えていない。ほとんどの人が、今の家族構成で何とかかんとか、仕上げの高価さに心奪われているのが現状です。
でも、そうでない人もいる。そういった人に何が提案できるか。建築関係の人は悩むわけです。内装はぺらぺらでいいじゃないですか、どうせ10年位したら改装するんでしょ、とはなかなか言えないし。
ここが、あなたもおっしゃるように難しい問題。施主が信念を持っていないとね。で、私は、読者に乱暴な問題提起をしているわけです。

スコップさんのお考えで素晴らしいところはユーザー(素人)の目を失っていないところだと思います。私も初めはそのような目を持つように努力してきたのですが、プロの世界に染まるにつれて考え方に制約を強いられ、ユーザーがなにを求めているのかわからなくなることがあります。もちろんプロとして施主さんに提案する以上、必要なスタンスなのかもしれませんがユーザーが望んでいる庭を理解できないようではプロとして失格だとも思います。

なかなか難しいこととは思いますが、これからもユーザーの視点ということは忘れてはいけませんね。
当たり前のことですが、当たり前のことが難しいです(^^;。




2通目

第2章について感想させていただきます。

オープン外構についてですが、一つの傾向として以前より不思議に思っていたことがあります。それは都市部と郊外(特に田園風景の広がるような土地)とでは外構についての意識があまりにも違うということです。都市部ではもちろん防犯などの観点から建築と同時に外構の必要性が出てくるのはわかるのですが、田舎のそれについては建築後しばらく、それもかなり長い間、外構が不備のままということが多いようです。

また、庭などについてもそれほどのこだわりがないことが多々あるような気もしています。というのは回りに溢れる美しい景色があるから・・・というのはあまりにも短絡的な結論でしょうか。私としては美しい田園風景や山野の景色が臨める土地では都会的で機能的な庭を作れば非常にセンスの良い空間が演出できる(周囲の風景も含めて)と思うのですが、なかなかそのような方向に目が行かないのが現状のようです。もちろん、そうすることが最善の庭の利用方法と決めつけることはできないのですが。


そういうところでは自由度が高いということではないでしょうか。周りの風景となじんだ、溶け込んだ風景を庭に作るもよし、都会的なセンスを活かした庭にするもよしということでしょうね。 でも、あまりに違和感のある庭はうれしくないですね。たとえば、雑多なものが溢れかえっている庭とか。 そういう庭は、周りのことが見えていない証拠です。とってつけたデザインではなく、シャープにいきたいものですね。すると、周りの風景を活かすことができますよね。
あなたの意見に賛成ですよ。


なごみの庭の頁について。
これには、最近同感せざるを得ないことがありました。

最近おこなった造園工事でのことですが、30年来の庭の改修工事でした。外構には1m80ほどの黒ずんだブロック塀が使われており、私としてはこのブロックを隠すことで庭の一新を図ろうと図面を提出しました。ところが施主さんに言わせるとこのブロック塀がなによりも落ち着くのだということ。

施主さんは、何を大事にされているのでしょう。
ブロック塀そのもの? 思い出があるとか?塀で囲まれた安心感? 隠すと安心感がなくなる? わかりませんね。
普通は何とかあのブロックの素材感を隠そうと苦心するものなんですが、あの方が落ち着くというのは。

感じるものは人によりこうも違く、私たちが粋がってデザイナーと言っている人間の感覚がどれほどのお客さんに役立っているのかと自問自答してしまいました。私たちがどのように庭という場所を提供すべきか、考えさせれる一件でした。

人の考え方がそれぞれ違うように、この仕事を続けている以上、このような難しい問題に一生頭を悩まされるのだろうと思った次第です。

これほど役に立つ商売はないと思っていますよ。
デザインという視点で、「あなたが望んでいるのはこういうことではないですか」と、人が望んでいるものを見せてあげることのできるという点でね。それがもし、施主の思いと違うということがあっても、それはそれ、その施主は違う世界を見ることができたということでは、とても意味があったということなんだと思います。しかし、確かにあなたがおっしゃったように、デザインする側と受け取る側に、感性の違いがあることは仕方のないことです。私達は、その感性の違いに気付いたうえで、何を提案できるかということなんですね。




3通目

ブロック塀のことですが、私にはなんとなくわかるような気がします。その施主さんは70過ぎのおばあさんだったのですが、おばあさんにとってはブロック塀の風景こそ生きてきた日本の風景なのではと。

今では風景の邪魔ものとさえ言われる電柱でさえ、木製の電柱の風景は懐かしさを覚える・・そのようなイメージなのではないかと思います。

なんのヘンテツもないブロック塀にアスファルトにコンクリート擁壁、3面護岸。しかし、そこで育った人達にとってはどんなに絵的に美しい景色よりも、安らぎの空間とはそういうところにあるのかもと思った次第でした。






●けやきさん、メルマガへの掲載をご快諾いただきありがとうございました。




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