message 「庭作りのポイント」編 … ワイヤートレリス | |||||
一級建築士・インテリアデザイナー・ガーデンデザイナーの庭づくり講座/ガーデニングデザインメッセージ集 | |||||
木製のトレリスはたくさん売られていますので、あちこちのお庭で見ることができます。つるものを這わせたり、ハンギングを架けたり、目隠し用にスクリーンとして使われたり、コーナーの仕切りとして使われたり。 つるものを這わせるときに、緑だけが空中に伸びているように見せたいときってありませんか。つまり、木製トレリスの存在感のある面的な表情ではなく、細い緑のラインがスルスルッと空間を飛んでいるように。 * * あの木製トレリスは、どちらかというとスクリーンとして使うものです。 道路からの視線を遮ったり、家の中から見たくないものを隠したりということです。ですから存在感がありすぎるのです。こってりと暑苦しく……。 (とにかく最近、蒸し暑いのでそう感じるのかもしれませんがね) 我が家の自作のパーゴラにはオーニングを架け渡していますが、今の季節は犬のためにもう少し日陰が欲しいので、パーゴラの側面上部にブドウをつたわらせています。 たくさんの実がたわわになっていますよ。 で、そのブドウ。何に伝わらせているかといえば、パーゴラの柱と柱の間に張ったワイヤー。パーゴラの二面(南と西)に二本づつ張った、いやゆる針金です。ステンレスの細いものを、ピーンと張っています。よく見ないと針金を張ってあることには気が付きません。 なぜ、こうしているのかといえば、もちろんあの木製トレリスのコッテリ感がうっとおしいからです。 安物くさくなく、でも狭い庭ですからできるだけ華奢に見せたいわけです。 木製のトレリスの色であれば、普通よく見かける濃い茶色であれ(ありきたりで暑苦しい)、青あるいは緑っぽいものであれ(少々わざとらしいかな)、白いものであれ(さわやかではあるけどちょっと趣味的)、パーゴラの上部に大面積で取り付けるには、印象が重たいわけです。 それに、ブドウやフジのように落葉のものなら、葉のない季節はトレリスがむき出しになっているわけで、いやがうえにも目立ってしまいます。冬はオーニングも取り外し、影を作りたくないのに、トレリスが大きな影を作ってしまうわけです。だから、針金。緑が繁茂していないときには、存在を消しているのです。 * * スクリーンとしての目的でなく、つるもの這わせたいというときには、流行だからといって市販のトレリスを衝動買いせずに、少し考えてみましょう。どう見せたいかということを。 庭の端から端へ、大胆に、ダイナミックに、夏には緑の屋根を、というとき。 南側の窓からの日射を遮るために、窓の前に夏だけ緑の日よけを、というとき。 玄関は緑のゲートをというとき。 (これはクリスマスイルミネーションを取り付けるときにも便利ですよ) ピーンと張った細いワイヤーは目立たず便利です。 |
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