message 「庭のイメージ」編 … 自分スタイル 中谷俊治氏「建築をめぐる旅」を読んで | |||||
一級建築士・インテリアデザイナー・ガーデンデザイナーの庭づくり講座/ガーデニングデザインメッセージ集 | |||||
ドロアシの友人、建築家の中谷俊治さんが、自分の建築家としてのスタイルを探すための二年半のヨーロッパ・建築放浪の記録、を読んだ感想から。 建築家だけでなく、画家も、作家も、彫刻家も、インテリアデザイナーも、グラフィックデザイナーも、音楽家も、そしてガーデンデザイナーも、みんな自分のスタイルを探し求める旅に出るのです。 本当に異国の地に出かける旅もあるでしょうし、自分の心の中のノートを1ページずつめくっていくような心の旅もあるでしょう。意識的に出る旅もあるでしょうし、普段の生活や活動が旅そのものということもあるでしょう。 知人のミュージシャンのキャッチフレーズは「旅の途中で」。歌を作るために各地に年に何度も出かけています。創作する人は、多かれ少なかれ、自分のスタイルを確立するために、努力しているのです。 でも「自分のスタイル」って、何でしょう。創作する人の世界観、個性、その人らしさ、主張、心もよう、といったものを、その人のものと分かる表現方法を使って伝達することといえるでしょう。 で、あなたの庭づくり。これも立派な創作活動です。 外部に対して発信する創作活動ではありませんが、自分の楽しみのためにする創作活動です。もう、耳だこかもしれませんが、あなたのスタイルになっているでしょうか。 自分のスタイルが何かって、一朝一夕につかめるものではありません。大げさに言えば、感動とともに来る啓示と、迷いと、苦悩の連続のなかで、見つけるもの。見よう見まねと、思いつきと、冒険と、実験の失敗の繰り返しのなかで、見つけるもの。 雑誌のグラヴィアを見て憧れて、「これが探し求めていたものだ!」って飛びついても、その世界が自分のものになっていなければ、感動はいずれ薄れていきます。飛びつくことはいいんです。自分の世界観に合わせて昇華していくことが大事なんです。 こ難しい理屈を書きすぎましたね。彼の本を読んで、久しぶりになんともいえない嬉しさがあったものですから。 さて、その中谷俊治君の本の紹介をしましょう。「ARCHI−TRAVEL 建築をめぐる旅」 TOTO出版 ……「そうだ、旅にでよう」 ……都市と空間をめぐった2年間の建築・旅行記 設計事務所に勤めて10年。ある日、自分だけの「建築」を探しに世界へ旅にでようと思いたった…… というものです。 中谷君は私とは同じ釜の飯を食った仲間。同じ建築家を尊敬し、同じ大阪の生まれ。大好きな人です。私より10歳ほど若い人ですが、彼の文章を読みながら、追い立てられるというか、励まされるというか、つまり、「元気になり」ました。 ▼建築家の原広司先生が推薦文を寄せられています。 建築の設計とは、空気を設計することだと、私は考えている。 バリ島やタヒチの諸島に降り立った時のあの香しく暖かな空気、、それを思いながらどこにもない空気を設計すること。旅とは、新しい空気の探求である。そして、建築も同じなのである。 中谷俊治の記録は、「少年の文体」によっていると言えそうだ。次第に、世界が明るくなってゆくときのディスクールである。この「記録」の中に、好意的な読者ならば、新しい空気を読み取ってくれるだろう。 どうです? 彼は何を見つけたのでしょう? 読んでみたくなったでしょう。ちなみに彼のサイトはここ↓です。 http://www.sn-studio.net 庭づくりには直接関係しませんが、空間を作るという意味では共通することもあると思います。そして何より、一流の、あるいは一流になろうとしている建築家って、こんなこと考えているんだということが分かると思います。よければ読んでみてください。 さて、さて、わたしも、もうチット気合の入ったことを書かないとだめだな! |
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