このページの絵はすべて投稿者chieko.iさんの作品をお借りしています。
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投稿者はchieko.i さん。
年齢 40+? 岡山在住
好きなこと お絵描き、庭いじり、パソコン、、、
嫌いなこと 体力の要ること
より好きなこと 紅茶とクッキーを傍らにおいて寝転がり、よく出来た推理小説を読むこと
という女性の方です。
「名前のない部屋」というサイトをお持ちです。
アート&フォトギャラリー名前のない部屋
サイトには、ご自身でかかれた絵を展示されてています。もちろん、お話にあるような芝庭の写真もあります。必見ですよ。
薔薇 随想
小学校の図書館に一冊の本があった。どのページにも見たこともない形をした花が克明に描かれている。バラという文字がついてはいるが、私が知っている薔薇とはまるで違う。なんなのだろう、この花は、、、子供心に不思議に思いながら飽きずにその絵を眺めていた。
それがオールドローズであり、ナポレオンの皇后ジョゼフィーヌが世界中から集めて植えさせた薔薇を、画家ルドルテが忠実に描いた絵を集めたバラ図譜という本であったらしいと知ったのはずっと後になってからだ。長い間、実際の花も知らぬままに、見知らぬ国の美しい花に憧れていた。
家を建てたら庭には芝生、、というのは多くの人が考えるのだそうだ。植木屋さんの言葉に苦笑いをしながら、我が家でも芝生を張った。そして花壇には何を植えよう、、と思ったときにあの薔薇を思い出した。ガーデニングがブームといわれ、これまでみたことのない花々が園芸店の店先に並んでいる。やわらかで優雅な花形をしたあの絵の薔薇、オールドローズやその改良種であるイングリッシュローズも容易に入手出来るようになっていた。レディ・ヒリンドン、ロサ・カニナ、コンスタンツ・スプライ、、、写真を見比べながら薔薇を選び、注文した。
分譲地の限られた敷地だから、思いのままに庭を作る、、というわけにはいかないのだけれど、棚を作ったりペンキを塗ったり、、、庭仕事というのは楽しい作業だとつくづく思う。思い入れたっぷりに植えつけたオールドローズやイングリッシュローズは、原産地との気候の違いからか、説明書どおりには成長せずに気をもませるし、いつのまにか枯れてしまった株もある。暑い夏の水遣りや薬剤散布、冬の寒さの中で傷だらけになりながらの誘引など、なんでわざわざこんなことをしなきゃならないんだろう、、と思ったりもするのだが、一仕事終わった後の爽快感は格別だ。子供が砂場で遊ぶように、週末になると庭で遊んでいる。
根付いた薔薇は年々勢いをまし、花の数も増えてきた。写真集で見るような薔薇の園とは程遠いのだが、それでも季節になると家中が薔薇であふれ、庭中にその香りがひろがる。花の季節、毎朝籠いっぱいになってしまう花でポプリを作ったり、ポプリライトを楽しんだりもするのだが、それでもほとんどは捨ててしまうことになる花びらを集めて、蒸留し、薔薇の香水を作ろうかな、、などと思っている。
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