message 寄稿 … 庭の石 (遊庵さん) | |||||
一級建築士・インテリアデザイナー・ガーデンデザイナーの庭づくり講座/ガーデニングデザインメッセージ集 | |||||
寄稿していただいたのは、遊庵さん。庭造りのプロです。 遊庵さんのプロイール(ご本人の原稿のまま) 1957年生まれ、元公務員 公共造園に携わっていましたが、個人の庭つくりがしたく30歳の時に家族揃って京都へ出て来ました。足かけ8年程勤めていた会社を退職して、独立。現在8年目になります。 自分にしか出来ない庭つくりを目指しています。(雑誌をご覧頂ければご理解いただけると思います……本文の最後に説明があります) http://www.f2.dion.ne.jp/~yuuan/ 掲示板に(2002.2末ごろ)遊庵さんが書いていただいたものを、少し長くなりますが、原文のまま掲載します。 テーマ 石の心 例えばですよ・・・・渓流に行ったとします。そこには石がゴロゴロとしていますよね。 あくまで自然の力による造形です。 また、山の中に入って目にする石、岩、これも自然の造形ですよね。幾年月を経て来た形・・・・・オブジェ?? 人が自然に受け入れる事のできる安定した形にするのが一番なのではないでしょうか。 人が「あっ」と驚く石組みや、奇をてらった石組みがありますが、お寺や営業を主体とした店舗などの庭とは個人の御宅の庭は違うと考えます。 自分のくつろげる空間、家族もその空間を共有するのですから出来る限り控えめな空間であるべきではないでしょうか。 横にそれましたね。 庭にゴロンとしている石。石の全体が見れますよね。 動かせる石ならば上下逆にしたり、左右を入れ替えたりして眺めてみて下さい。その作業の中で「石」が一番良く見える(輝いて??かな)所があります。 それは全体ではないかもしれません、半分位土に埋まった状態を想像したり、少し斜めになった状態を想像したりしてみてください。(石を据える場合は、土を掘って石を置き、土を戻してGLラインを出しますよね。そのGLのラインから上を想像してください。) ……GLラインとは地面の線、つまり接地ラインのこと。D注 石の表情は色々あります。人それぞれに捉え方も違うのですから。でも、一つだけ言えるのは、あまりにも鋭角過ぎる表情は使わないようにすべきです。 石庭などにそんな石を使った石組みがありますがありますが、意味がお分かりになりますか? 作者の考えはとても深いものかもしれないし・・・・ ドロアシさんが書いておられたように、強い庭をつくる・・・・・でも、あくまで自分の庭の石を自分で据えるのなら、最初は自然の形を真似て石を据えてみ るのも良いんじゃないでしょうか。 自分で見た身近な自然の中の石の在り方を真似てみる。それから先には、永い永い石との戦いが始まるかもしれませんけどね。 でも……、最初の感性が一番大事ですよ。 石積み(野面、崩れ)などの場合もポイントを決め石を配置していきます。そのポイントに良い表情の石を使えば、石積みも引き立ちます。 それと一緒で、庭の中のポイントに石を据えれば庭の良さが引き立ちます。石の大小ではなく、あくまで石を据えた人の感性がその石を引き立て、しいては庭を引き立てるのではないでしょうか。 ***「ドロアシ」が掲示板で発信したもの なぜ、「一つだけ言えるのは、あまりにも鋭角過ぎる表情は使わないようにすべき」なのでしょう。もちろん敢えて、奇をてらった石組みにすることはないのでしょうが、個人の庭だからこそ、庭の景としてはあってもいいのではないかとも思うのです。個人住宅の庭で素人が動かせる程度の石なんてたかが大きさは知れています。大量にあるのならまだしも、数十個程度ではなかなかさまにならないように思うのです。そういうときに、自然にあるがままにといわれると、ちょっと冷たいような。そういう時はどうすればいいのでしょうか。せっかくの石を大事にしたい、しっかり見せたい。そのときのヒントはないでしょうか。 * ** 鋭角的な石についてですが・・・・私個人の意見が強いのです・・・・と、お断りをして書きます。 複数の石を組み合わせる中で、お互いの石が補い合っているのであればそれは「良し」とすべきだとは思います。 ただ1石が単独で角を尖らせてあるのは、人が見たときに受ける印象はどうでしょうか? 大きい、小さいは関係なく「危険」な印象は受けませんか? 特に小さい石が庭の中で鋭い過度を尖らせている様は、「怖い」印象しかないのではないでしょうか。 私たちも、自分が選んだ石だけを使って、庭をつくってばかりいる訳ではありません。御施主様支給の場合もあります。新興の住宅地の等では、現場から出た、割れたような石を庭石として利用してある事もあります。 その場合は、出来るだけ鋭いところを出さないようにして石を組み合わせたり、樹木を組み合わせて石の持っている表情を生かすようにしています。 庭の景としてそんな石があっても構いませんが、その場合でも、もう1石横に石を組み合わせてやる事により、もっと景色が引き立つのではないかと考えます。 素人が動かせる程度の石についてですが、景石としてだけなのでしょうか? ひぐらしさんが書いておられたような、ロックガーデンみたいな利用の仕方とかでは駄目なのでしょうか? その他にも、苑路として利用したり、石積みをしたり出来ませんか。一つの石だけを見るのではなく、組み合わせの妙とでも言いますか・・・・・門柱なんかをつくっても味が出ると思いますよ。 石組として見せたいと言われるのであれば、竜安寺の石庭が良い例なのではないかと思います。7,5,3・・・・・・庭石の組み合わせ方を言うのですが、この組み合わせが昔から言われてます。この通りにする必要はないです。名石、奇石なら別ですが、一般的な石ならば何個かを組み合わせる、生け花と同じです。 主があり、添えがある。それによって御互いが引き立つし、見せようによっては組み合わさる事により一つの大きな石にも見えたりします。また、土を盛り上げた所に石を置けば、高さを出す事も出来ます。その場合、地際を地被植物で隠したりすればもっと、石が引き立ったりします。 地際という言葉を使いましたので書きますが、石を据えた後、土をきれいにならし石の際を出す事により石の姿がはっきりとします。 こんな風に書くと余計に難しくなるかもしれないですね。隠せといったり、はっきりと見せろといったり・・・・・でも、どちらも大切な事です。 ただ素人の人に多いのは、この事が出来てない人が多いと思います。すっきりと見せるためには最後の最後まで手を抜かない事です。あと一つ言えるのは、イメージを持って作業する事ではないかと思います。誰でも自分のイメージがあるはずです。 書けばきりがないみたいに書いてしまいそうなので、この位にしておきます。 最後に一つ、コマーシャルをさせて下さい。 「主婦と生活社」から「すてきなガーデンデザイン VOL 4」が発刊されました。以前にも書かせていただきましたが、「白ハト」さんの御宅の庭が4ページ掲載されてます。それと西京極の御宅の庭が2ページ掲載されております。最後の方の白黒のページで顔写真が掲載されてます。 良かったら、本屋さんの行かれた折にでも・・・・・ご購入頂ければありがたいのですが・・・・ まあ、立ち読みでもしてみてください。 遊庵さん、ありがとうございました。 |
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