message 「自分でしよう」編 … 材木の種類 | |||||
一級建築士・インテリアデザイナー・ガーデンデザイナーの庭づくり講座/ガーデニングデザインメッセージ集 | |||||
ずっと前に、お気楽く木工の勧め、というテーマで書きましたが、材木の種類についてなんでもエエ、という気分で書いてしまい、少々気になっていました。 今回は、ウッドデッキなど外構で使われる材木の種類について、主なものいくつかをまとめておくことにします。 (大事なことを書いていますので最後まで目を通してくださいね) まずは広葉樹です。広葉樹は一般的に硬い(hardwood) ● ジャラ オーストラリア原産 長所 耐久性が高い。シロアリ、海虫に強い。耐火性も良い。 短所 未乾燥材は割れ、狂いが発生。ガム(黒い線)が表面に出ることがある。 用途 デッキ、木橋、柵、船、建材、高級家具 色 赤褐色 比重 0.90 曲げ強度 スギの約1.9倍 耐用年数 15年以上 ● イペ 南米原産 長所 腐朽しにくい。昆虫に抵抗性。難燃性。 短所 乾燥難。加工やや難。 用途 デッキ、床板、枕木 色 黄褐色 比重 1.06 (重い!) 曲げ強度 スギの約2.7倍 (硬い!) 耐用年数 20年以上 私のパソコンの横にデッキのメーカーからもらった材料見本の切れ端を置いてい ますが(巨大なコースターとして使っている)、重量感がありますね。 ● チーク 東南アジア原産 長所 耐久性非常に高い。シロアリに抵抗。寸法安定。 短所 肌目粗い。高価格 用途 床板、家具 色 濃褐色 比重 0.69 曲げ強度 スギの約1.3倍 耐用年数 25年以上 これ以外にも、アソベ(ボンゴシ)、セランガンバツ(バラウ)、ニャトー(ナトー)、ピンカド、ヨトピン(クルイン)といったものがあります。 次に、針葉樹です。こちらの方が多分おなじみでしょう。 一般的に柔らかい(softwood) ● ヒノキ 日本原産 長所 芳香と光沢。加工性良い。耐久性、水湿に耐える。 (だから風呂に使うんだ) 短所 節が多い。大寸法材は高価 用途 建築全般、家具、ベンチ、柵 色 淡紅色 比重 0.44 曲げ強度 スギの約1.2倍 耐用年数 7〜10年 防腐処理要 ● スギ 日本原産 長所 芳香。乾燥早い。加工性良。 短所 柔らかい。強度低い。シロアリに弱い。 用途 箱 色 淡色 比重 0.38 (軽い!) 耐用年数 3〜5年 防腐処理要 ちょっと飽きてきましたね。もう少しです。 ● レッドウッド(セコイヤ) 北米原産 長所 乾燥良好、耐久性高い、シロアリに強い、加工性良し。 短所 柔らかい、タンニンで黒くなる 用途 建築材、ベンチ、柵、箱、家具 色 赤褐色 比重 0.45 曲げ強度 スギの約1.1倍 耐用年数 10〜12年 ● ウェスタンレッドシダー(米スギ) 北米原産 長所 芳香、耐腐朽性、乾燥早い。 短所 強度低い 用途 建築材(壁板、屋根など) 色 黄褐色 比重 0.37 曲げ強度 スギの約0.9倍 耐用年数 7〜10年 他にも、ベイツガ(ウェスタンヘムロック)、ベイマツ(ダグラスファー)といったものがあります。 さて、みなさんのウッドデッキはどんな樹種でできていましたか? 商品として売る場合は強度の高さや耐久性が重要ですが、ご自分で制作される時には、加工性の良さも重要です。硬けりゃいいってものじゃないです。それに手に入りやすさ。寸法のバリエーションがなければ扱いにくいものです。 とはいえ、家庭用じゃなく、都市公園やヨットハーバーで使われている「イペ材」でできているようなものはカチンとしていいですね。 さて、しかし、ここで考えて欲しいことがあります。 地球温暖化!! 南洋材が何のコントロールもなく伐採されている事実。 私たちは、自分の庭作りのために、こういった違法伐採に加担していないでしょうか? 私たちは、その材木がどこの森林から来たのか、そして、きちんと計画伐採されている合法的なものなのか、を考えてみる時期に来ています。 石についても同じことがいえます。 石も、元はといえば山の石。切り出された後の痛々しい山は世界中に広がっています。ほとんどが建築資材として切り出されたものですね。 私たちの庭に敷いた敷石。それはどこの山を破壊して持ち出したものでしょう。切り出された後の山はまた緑が復活しているでしょうか。それとも無残な姿を晒しているでしょうか。そしてそこに住んでいた山の生き物たちはどうしているでしょうか。 自分の楽しみのために、山の緑や山そのものを破壊する行為は、私は「傲慢」だと思います。 |
|
||||
メッセージインデックス 自分流に愉しむ気ままな庭づくり ホーム 庭づくりメッセージ&講座 気ままなミニ盆栽 気ままな庭(My Garden) ドロのこころだ(ブログ) 英国風景庭園ミステリー「水霊の巫女」 甘南備山逍遥 書籍紹介:自分流に愉しむ「気まま」な庭づくり プロフィール 清水計画室 |
|||||