message 「庭の植物」編 … ワイルドフラワー | |||||
一級建築士・インテリアデザイナー・ガーデンデザイナーの庭づくり講座/ガーデニングデザインメッセージ集 | |||||
十数年前に、ある工事現場で実験をしたことがあります。 数千uの面積に花の種を蒔いて、できるだけノーメンテナンスでどの程度の景が造れるかという実験です。 某種苗会社と共同の実験でしたが、NHKテレビをはじめ主要なマスコミに取り上げられ、実験そのものよりも広報効果の方が大きかったというものでした。 * * 実験とは 今でこそ普通に売られているワイルドフラワーの種ですが、当時は商品化される前のことで、どの程度見るに耐える景が作れるかどうか分からないという時期でした。 その頃はまだ高速道路の大きな法面(造成された斜面)や河川敷に使われている程度で、広大なランドスケープとしての景観造りには成功していたものの、もっとミクロな造園的面積での利用はされていなかったのです。 おっと、ワイルドフラワーって知ってますよね。色々な種がミックスされていて、自然な花園が作れるものです。管理的、人工的な花壇じゃないですよ。花園。 実験は、色々なブレンドのパターンを作り、数十uごとにメンテナンスレベルを決め、メンテナンスレベルと景観との関係を調べました。 メンテナンスといっても単に水撒きをどの程度するかしないかです。 花の種類は自然状態でも充分生育できるもので、園芸植物として改良され尽くしたものではなく、いわば野草とでもいうべきものでした。 しかし、結果は惨憺たるもの。 確かに離れたところから水平の視線で見るとたくさん花が咲いています。でも、近寄って上から見ると、すかすか。 一番目立ったのは河原ナデシコでした。二年目には水やりをしないエリアにはほとんどこれだけ。 この状態は最初から想定できていましたので、ある部分では球根なども混植して、花の足しにしたりもしました。 ワイルドフラワーの種 先日、袋入りの種を買ってきました。花色ごとにブレンドを変えてあります。 すぐ蒔きます。来年が楽しみです。 隣の家との隙間にも蒔いてみよう。ミニ実験としてぎりぎりまで散水なしで。300円程度のものですから、失敗してもいいし。 でも、今売られているのは、普通に水やりをする必要のあるもの。 そういう意味ではワイルドフラワーではないですね。単にブレンドした種ということです。 そもそも、どの草花も自然状態では天水だけで平気で生育しているのですから、早く、散水なし、薬散なし、施肥なしで、かつ花の素晴らしい改良花が出て来ないものでしょうかね。そうなれば、街の景色が一変すると思いますね。 それにしても、あの実験の河原ナデシコは強かったなあ。 |
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