message 「庭の楽しみ」編 … 夜の庭 | |||||
一級建築士・インテリアデザイナー・ガーデンデザイナーの庭づくり講座/ガーデニングデザインメッセージ集 | |||||
皆さん、夜の庭を楽しんでいますか。 私は、仕事から帰って一番に庭を一巡します。雨の日も軒下を一回りします。わずか20坪足らずの庭ですが、いろいろ見て回ります。 特に雨上がりの夜の庭は、最高に気持ちが良いと思います。 (ちなみに「坪」の計算は、平方メートルに0.3025をかけます) もちろん照明計画が必須ですが、夜の庭はとてもきれいです。 昼間には気になる裏のお家や、庭の隅っこのなんとなく雑然とした部分が見えなくて、最もお気に入りの部分が浮かび上がります。 夕方になると、早々にシャッターや雨戸を下ろしてしまうのは、とてももったいないことだと思います。(我が家では十時過ぎまでリビングのカーテンも引きません) 蚊の猛攻を受けるのが厭で庭には出ないとしても、リビングから庭の照明をつけて眺めましょう。 ライトアップされた木や花が鮮やかな光を反射しています。落葉の薄い葉っぱは、照明の光を通して、より鮮やかな緑に見えるでしょう。 (ホームページのトップページ、ハナミズキの葉っぱの写真は夜に撮影しました。あの画像はどう作ったのかと聞かれますが、実は単に夜に照明の反対側から撮影しただけです) 雨が降っていたり雨上がりだと、木々の枝先や葉っぱに付いた水滴が光っています。レースのカーテンさえ引かず、絵のよう(ピクチャレスク)な庭の景色を家の中に取り込みましょう。 ぜひ今晩試してください。どうですか。 以前お話した庭の奥行きを作るための重ね合わせ手法がよくできていると、ライティングが活きてきます。 平板なディスプレイだと平板な印象ですが、上手く重ね合わせてあれば、手前の木が光って奥の石庭が黒々していたり、逆に手前の木がシルエットになって奥の花壇の花が鮮やかに光って、昼間以上に奥行きが出ます。 スリッパを突っかけて、庭に出たくなってきませんか。 いつもと違う発見があるでしょう。蚊やナメクジもいますが、カナブンの食事風景が見れるかもしれませんし、アマガエルを発見するかもしれません。 毎日の夜の庭散歩を日課にしていただきたいと思うのですが、もっと積極的に、夜の庭に出ることもしてみましょう。 例えば、犬と遊ぶ、金魚の世話、花の手入れ、写真を撮る、本を読む、酒を飲む、音楽を聞く、家族とポツリポツリと話をする、色々なことができますよ。 夕食後のデザートは庭でいただくというのはどうですか。季節によっては虫の声を聞き分けたりもできますね。 大層に考えずに気が向くまま、庭に出てみるということが良いと思うのです。まあ、ある程度周りから囲まれていて、人の目から遮られていないと気恥ずかしく感じるかもしれませんが、見られても逆に、庭を存分に楽しんでおられるのだなと、好意的に受け取ってもらえると思います。 我が家の隣りのご夫婦は夜遅くなると庭に出て来ます。何をされているのかというと、カナブンやナメクジ退治。まあご合理的だとは思いますが、もう少し楽しむこともされたらいいのにとは思います。でも、見向きもされない夜の庭よりはずっといいですよね。 |
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