出版の御礼 | |||||
今回は、ひとつの区切りということで、これまでのことを振り返ってみます。庭づくりの話題ではありません。 しかし私にとってはとても重要なことなので、ここで書いておきたいし、きちんと皆さんに御礼を申し上げたいと思います。 * * そもそも、なぜメルマガを発行する気になったか。 インターネットを多くの人が楽しむようになったのが1999年ごろ。少々遅ればせながら、2000年にドロアシもはじめました。が、すぐに飽きてしまいました。これは、単に本屋で雑誌を立ち読みするのと同じじゃないかってことで。インターネットのすごいところは、自分からも発信できること。自分の思いを人に伝えることのできる道具!! メルマガをとって作者にメールを送るのもよし、掲示板に書き込むのもよし、思い切ってサイトを持つのもよし。 当時、友人が、自己紹介のためだけのサイトを持っていました。彼は大学の助教授で、付き合いが広い。彼は「自分はこういう人間です」ということをサイトで表明しているわけです。誰にでも見てほしいというサイトではなく、新しく知り合った人に、帰宅後にで見てもらって自分のことを知って欲しいという内容のものです。いわば経歴書みたいなもの。このサイトに触発されて、私もやろうと思い立ったのです。 でも会社員の私は、履歴書では面白くない、意味がない。どうせなら、もっとメッセージ性のあるものを……。 で、考えたのが、庭づくりについて。家作りでもよかったのですが、あまりに仕事に直結しすぎて、なんだか、遊び(仕事じゃないという意味)にならない。で、庭づくり。建築士から発信する庭づくりの思い。これなら、いくらでも書くことがあるしね。(庭づくりのプロとは少し違う視点が出せたらいいな、と思っていました。今でも、そうですけど) * * サイトを作って、すぐにメルマガの発行を始めました。内容は、ご存知のとおり。タイトルは、講座ということにしましたけど、これは「暇なおっさんのエッセー」とは違うぞということを表現したかったということ。自分で言うのもなんですが、住まい作りのプロが庭づくりについて思うこと、という感じでした。みんな、「もうちょっとこんなことを考えながら庭作りをした方がうまく(楽しく、息長く、自分流に)いくよ」ってことを伝えたい、という思い。偉そうなので、最初のころは反感もありましたけどね。 それが一年続きました。つまり五十話。その頃、もしかして、本になるんじゃないかという淡い夢を持ちました。去年の初秋のことです。「メルマガを毎回プリントアウトして保存している」という読者のうれしいメールもありまして。もしかして……。 一方で、メルマガがマンネリ化してるんじゃないかという気持もありました。で、アンケートをやってみたのです(覚えていますか)。内容は他愛もないものでした。反応はあるかな? 当時、購読者数は確か600くらいだったでしょうか。回答者数が50を超えたらメルマガを続けよう、(少なければやめよう、どうせ趣味でやっている、それこそ気ままなメルマガなんだから)と思っていました。結果は、50に少し届かず。 でも、回答してくれた人の、うれしいメッセージの数々……。もちろん、掲示板の常連さん達の、何気ない励ましの数々……。メールで、いろんな質問をしてくれる人たち……。うーん、やっぱりやめられないよなあ、と思いました。 ということで腹をくくりました。きっと本にする!! そして、庭づくりと同じように、ゆっくりじっくり購読者の人たちといい関係を作っていこう、と。 * * それから、それまで出していた講座のメッセージを書き直し始めました。言いたいことは変わらないけれど、まどろっこしく、くどく、分かりにくい表現を、紙にして読んだときにも耐えられるものに。読み返してもらえるものに。誰に読まれても恥ずかしくないものに。 そして、どこまでやっても決して満足いくということってないなあ、と感じたときに、推敲作業を終わることにしました。そして、ネットで出版社を探し始めました。もちろん自費出版ではなくて、出版社が出してくれるところを。 が、そんなに甘いものではないということが、すぐに分かりました。(自信はあったのに) 調子のいいこと言って、結局は自費出版で儲けようとするところばかりに当たってしまいました。しかし、あきらめないぞ!! (いざとなれば、立場を生かして建設関係の出版社ででも……、なんてことまで頭をよぎったことを正直に申し上げます) とはいうものの、最悪の場合を考えて、自費出版で、いかに安価に楽しく思い通りに作るかということも考えておかなくては……、ということもあって、オンデマンド出版のサービスをしている出版社のいくつかにも問い合わせをしました。 そこで、とうとうメタ・ブレーンという出版社のJ.Oさんに出会ったのです。うちで出版しましょうと言っていただいたのです。正直言って、オンデマンド出版の場合の、いろいろな条件などを聞くつもりだった私は、J.Oさんの言葉(メールですけど)に、思わず飛び上がりました。 それからは毎夜のメール交換です。結局、私は、彼女の(会ったことないですけど)チームのメンバーを信頼して、すべてを(装丁もイラストもページレイアウトも、何もかも)お任せすることにしました。自費出版の場合の、こんな本を造りたいなという私の趣味的思いを封印しました。(出版するからには自己満足じゃなく、売れる、いい本にしないとね) 結果的にそれは大成功でした。メタ・ ブレーンのメンバーは、プロ意識を発揮し、とても上品で、本気の本作りをしていただいたのです。(紙質にもこだわっていますよ!) とても感謝しています。うれしくてしようがありません。 * * 多くの人に、自分の思いを伝えられること。こんなうれしいことはありません。私のように街づくりの仕事をしていますと、完成したもの(具体的な建物や街並み)で評価をうけることになるのですが、それはもちろん楽しいことですし、やりがいでもあります。しかし、言葉で表現するという方法で私の思いを伝えるということは、また違う挑戦でもあります。その、究極の手段が出版。 皆さんのおかげで実現できました。皆さんの励ましがあったからこそ、趣味の延長で続けてきたことが「本」という形になりました。なんと幸せなことか。本当に感謝しています。 * * 正直言って、このメルマガ、マンネリ化していますよね。でも、今までと同様、ドロアシの思いという感じで書き続けていきたいと思っています。どうか、これからも暖かいお付き合いをよろしくお願いします。 |
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