実践編 苔 | ||||||
一級建築士・インテリアデザイナー・ガーデンデザイナーの庭づくり講座/ガーデニングデザインメッセージ集 | ||||||
雪が降っている。池に張った氷の上に落ちた雪が落ちては溶け、とイルカの「なごり雪」を口ずさみながら庭を見ている。マウスを持つ手が寒さで震える。 さて、そろそろメルマガの原稿を書かなくては。 ○ 建築雑誌を読んでいて、「コケが生えてきて云々」とあった。建物の外壁にできる結露の記事だ。 (ちなみに北側の擁壁に面した冷機だまりになるようなところに外部結露ができやすい) こういうときのコケは決まって悪者。 でも、庭にコケはつきもの。それに折りしもコケブーム。二年前から昨年にかけてブレイクした苔玉はじめ、小さなコケの鉢植えが癒し系グッズとして雑貨店に並んだ。僕が盆栽好きということもあって、ここでも何度もコケ見直し論を提唱してきたが、新年はそれでスタート。(実は先日、モダンなコケ庭のデザインで苦心惨憺したからだが) さて、みんな枯らしてないかなあ。苔玉。あるいはコケの鉢植え。ん? コケの鉢植え、あれはなんと呼ばれているんだろう。知らない。ま、取り合えず「ミニ苔盆」と呼んでおこう。うむ、苔、コケ、こけ。やはり漢字がいいかな。カタカナは悪者、嫌われ者くさい。 ハイゴケ、ギンゴケ、ヤマゴケ、スギゴケ、スナゴケ、ミズゴケ(種の名前を記すときには基本的にカタカナだ)などが身近だ。山に分け入り自然破壊をしなくても、身近な公園や田んぼのあぜなどでもそれなりに採取できるのがうれしい。こいつを自分の庭に移植し、ミニ苔盆を作ろう。 苔の魅力。手間要らず。いや、要らんわけじゃない。環境が合わないと一向にだめ。合うと手間要らず。水遣りだけ。 いつもグリーン。触れたときの感触のやさしさ。質感。かわいらしさ。清潔感。極小の鉢でも育てられること。(そういや歯磨きのチューブの蓋を鉢代わりにしている知人がいる。これなんか手工芸ものだ)ということで室内に持ち込めることが関心の高まった理由。テーブルの上や洗面台の上にちょこんと飾ったりして。盆栽を始めるのは抵抗が、という人はミニ苔盆から。 できれば少し他人と変ったオリジナルミニ苔盆を。石つき。これは簡単にできる。これぞっと思う石を拾ってきたら、適当に苔を貼り付け庭に植え込んだ苔の中に転がしておく。環境が大切。そして乾かぬように水をやること例えば半年。するといつしか、なんとなく苔むした石の出来上がり。そして室内へお目見え。あなたのパソコン机のマスコットに。つるりとした石は苔がつきにくい。形がいびつでへこんだところがあるようない石が成功しやすい。ま、いろいろ何個も試してください。石に苔だけ擦り付けても成功率は低いことはいうまでもない。少しだけでも土を擦り付けておくと一気に成功率アップ。盆栽グッズには「ケト土」というものもありますが、ちっぽけなミニ苔つき石を作るだけなら、そこら辺の黒っぽい粘りのある土で十分。小指の先ほどもあればいいのだから。 ちなみに僕が拾ってきた石ころは、長さ25センチくらいの細長いやつ。形は山形、いろいろ凹みあり。この凹みに苔をつけて、あたかも岩山のそこかしこに緑の岩棚が、という風情。 苔はモダンな材料。 いかにも和風、ではない。ああいうマットな材料は使いようによってはとてもモダン。石ではなく、苔をつけるものの選定に注力。身の回りを見渡してみればおもしろそうなものはたくさんある。ありとあらゆるものが候補だ。要らなくなったおちょこや小皿? そんなもの当たり前すぎ。使わなくなったサングラスってのはどうだい? 空になった100円ライターってのは? |
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