実践編 クマダキモドキ | ||||||
一級建築士・インテリアデザイナー・ガーデンデザイナーの庭づくり講座/ガーデニングデザインメッセージ集 | ||||||
いきなり残暑だ。今朝なんか、目が覚めるほどの雷が鳴って一時の集中豪雨。いかがお過ごしですか。 庭の虫が賑やかになってきた。突如としてツクツクボウシがびっくりするくらい大きな声で鳴き出したり、夕方になるとなんだかよくわからない声が、全くハモルこともなくてんでに鳴き出す。 残念ながら虫の声を聞いてもなんという虫か、皆目わからない。コオロギの仲間もキリギリスの仲間もたくさんあって、ひとつひとつ図鑑を見ながら、姿形を確認しながら、鳴き声を覚えたらいいんだろうけど、なかなかそういう悠長な風流なことしている暇はない。 鳥もそうだけど、虫もそうやって知っているというのは心豊かな生活に近づく一歩だとは思うけど。 あなたの庭では虫、鳴いてます? 殺虫剤をドバッとやって、あらゆる虫が死滅してしまっているなんてことはないでしょうね。庭は単なるディスプレイじゃないからね。ある意味、身近な自然を所有しているという喜びを感じないとね。そういう言い方がおこがましいなら、荒地が徐々に自然に帰っていく過程を毎日毎日観察する喜びというかな。敷地は誰かさんが所有権を主張しているものであっても、その上の空間は自然の生き物達に解放されていると考えられなくもない。だからこそ鳥も飛んでくるし、いつの間にか虫たちも居つくようになるし、知らないうちにいろいろな植物が繁茂するようになる。その中で人は好きな草花なんかを植えて楽しむ。それを庭の楽しみと言わずして、何をどう楽しむ? ○ 庭のハナミズキの葉の上に大きなバッタを見つけた。こいつもバンバン葉っぱを食い荒らすんだろうけど、たった一匹のこと。大量発生したんなら何とかしなくちゃいけないけど、こういうのを見つけるとうれしくなる。写真を撮ってサイトに掲載した。 図鑑がないので、ネット上で検索すると出てきた。クマダキモドキというそうだ。樹上生活をする珍しいバッタだそうだ。全長(後ろ足をいれずに)10センチ足らず。透けるようなきれいな薄い緑色をしている。あまり大きな声で鳴かないので目立たないそうだけど、今はどこにいるのか、あの晩以降、姿は見えない。たぶん、コナラの木の上かブドウの木かナツツバキの木の上なんかで、短い命を燃やしているんだろう。 そういや、カエルも見つけた。2匹。どこから来たんだ? アマガエルじゃないよ。いわゆるツチガエル。池に近づくとボチャンと飛び込みよる。でも、鳴くのだけはやめてくれ。うちはいいけど、近所には迷惑だろうな。ただでさえ池の水音には気をつかっているんだから。 ○ ついでに、前々回のミニ盆栽の話の追加。 あるパーティーでミニ盆栽の話をしていたところ、あれって、要するに奇形だろ、と言われた。 「まあ、そうですね。園芸植物は多かれ少なかれ人が作ったものだし、野菜なんかはその典型でしょうね。でも、誰も奇形だとは言いませんね。また、庭の木も 剪定するし、自然のままではないという意味では、同じことじゃないですかね」 と切り返した。と、その人はもう僕に嫌味を言わなくなった。 盆栽と言うと、小さく作ってかわいそうとか、自然のものではなく奇形を作っているというような眼で見る人がいる。でも、山の自然を何の躊躇もなく、破壊しているさまざまな行為(公共工事であれ、民間の開発行為であれ、個人の「アウトドアライフ」であれ)を見るにつけ、個人が自分でできる小さな自然を作る楽しみを悪くいう人の気が知れないね。 ついに、ネムノキの花が咲いた。実生七年もの。生駒山のハイキングコースの脇に生えていた木の種を採ったもの。しかし残念ながら、写真に残すことができなかった。咲いたと思ったとたんに雨。あっという間に、綿のようになってしまって、落ちてしまった。盆栽を実生から育てていると、花が咲いたり実がなったりするのがとても楽しみだ。 |
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