実践編 柳谷観音の庭
一級建築士・インテリアデザイナー・ガーデンデザイナーの庭づくり講座/ガーデニングデザインメッセージ集


実践編‐10 柳谷観音の庭


 会社を辞めてから4ヶ月。人から、さぞ毎日庭仕事をして楽しんでいるんだろう、と言われます。そういうつもりはなっかたのですが、よくよく考えてみると確かにな、とも思えます。

 先日の日曜日は、あれこれと考えていたことをしました。

          つる植物を誘引するワイヤの取り付け
          ブラシの木を中心とする大きな寄せ植え
          網掛けしていた盆栽の網を外す
          池の濾過槽の掃除
          ユリオプスデージーの選定
          挿し木 その他もろもろ

 午前中にこれだけのことをして、昼からは万灯呂山に登山。いわゆる充実した一日というのでしょうが、現在無職である私にとっては、なんでもない一日です。
 庭仕事なんて、暮らしていく上で、しなけりゃしなくてもなんら支障はないものですが、したらしただけのことはあるというものですね。来春が楽しみ。将来の楽しみを少しずつ増やしていくという感じでしょうか。

              ○

 さて、今回は京都西山の名刹「柳谷観音」の庭をご紹介します。正式には「楊谷寺庭園」です。
 江戸時代に作庭されたもので、自然の山の傾斜を巧みに取り込み、立体的な庭となっています。斜面には十三個の石が置かれてあり、山から流れ落ちてくる水が池を満たしています。苔が一面に生えた庭には多くの草木が植えられており、ワイルドな静けさというのでしょうか、乱雑さの中の調和というのでしょうか、自然の野山と一体となった落ち着きのある庭です。もちろん私はとても気に入っています。

 書院に上げていただいて庭を見せていただくのですが、改めて思ったことがあります。

            ピクチャレスク。

 縁側に出て庭を見るのも、池の鯉や草が間近に見えていいのですが、座敷の中から開け放たれた障子越しに庭を見るのも、これもまたいいのです。軒が深く部屋の中は暗い。外には明るい光が満ちていること、緑が鮮やかであること、が強調されて感じることができます。さらに、部屋の中に入ってくる空気の流れに外の風を感じることができます。全体を見せずに切り取られた景色。思わず外に出て行きたくなります。


「柳谷観音」の庭。楊谷寺庭園 「柳谷観音」の庭。楊谷寺庭園


 庭の見せ方について、道往く人に見せるのではなく、自分の家の中から、特に家族が一番いる部屋(例えばリビング)からどう庭を見るのかが重要だと、言い続けてきました。最近ではようやくいろんな雑誌がそういう視点で記事を書くようになってきました。しかし、まだ、そういう構造になっていないお宅のいかに多いことか。住宅販売会社は外からの見栄えを重視して家を立て(住宅展示場)、それを購入した人もそのまま住んでいる。

 そろそろ、ゆっくりじっくり、自分の庭を自分が楽しむように変えていきましょう。


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