庭って、植物がないとサマにならないとよく言われますが、それはある意味で正解です。もちろんに緑の全くない庭もありますが、なかなか庭に見えないということです。 しかし、緑だけでもなかなかサマにならないということもいえるわけです。 この、木の船のへさきみたいなオブジェがきれいに刈り込まれた緑の中に、置かれていますが、これを見てあなたはどう思われますか？　上品でいい。格好いい。おしゃれな感じ。お店みたい。肯定的な意見だけでなく、わざとらしくていやらしい。という否定的な意見も出るでしょうね。 ただ、いずれにしろこの庭はこのオブジェが完全に規定しているのですね。つまり、存在感。 オブジェを置くなら、これくらい力のあるものを置きたいですね。むつかしいですよ。	左と同じテーマですが、左のオブジェはそこら辺で売っているものではありませんが、これならすぐあなたにもできます。角材を組み合わせただけのもの。庭のシンボルとなる植物があって、これをこういう風に、角材で覆って強調しているわけです。籠の鳥ならぬ「籠の木」。 植物を大きく育てるだけでなく、あるいはそのものを飾るだけでなく、あるいは寄せ植えとしてディスプレイするだけでなく、こんなふうに小さい植物でも、空間を規定させる手法はあるものなんですね。
ここから下の写真は、大阪北部のある割烹の庭の写真です。（撮影日はご覧のとおりまだ寒い日でした） 手水鉢（暗くて良く見えませんが）を、藁の傘で覆っています。雪覆いだと思いますが、そんなに雪の降る地域ではありませんから、完全なディスプレイです。ディスプレイという言い方に語弊があるなら、庭の設えと言いましょう。 手水鉢のある場所に、強烈な存在感を出しています。	左と同じ庭。 庭の石像に藁の帽子をかぶせています。イメージとしては傘地蔵みたいなものです。この帽子、簡単なつくりです。あなたにもできますよ。 庭にありませんか。寒そうにしているものが。小人ちゃんとか、リスとかアヒルとか。冬には冬の装い，夏には夏の装い。そういうものにも愛情をかけて。季節に違和感のないようにして。そうすると、あなたの庭の精神的な奥行きはぐっと増すことでしょう。
大きな水溜めに藁で作った簡単な覆いをかけています。これも存在感強調作戦。よく見てください。このディスプレイの中心。細い木がご本尊です。