実践編 すすき | ||||||
一級建築士・インテリアデザイナー・ガーデンデザイナーの庭づくり講座/ガーデニングデザインメッセージ集 | ||||||
先日、伊丹の美術館で現代美術家中辻悦子さんの展覧会がありました。 「ひとがた」の椅子がずらっと並んでいて、それぞれの椅子が、大きな目で私を見つめていました。私にとって彼女の作品は、心を見透かされるような不安な気持になります。不安というのは少し違うかもしれませんね。とにかくじっと見つめられるわけです。作者を知っているので、よけいそう思うのかもしれません。中辻さんがじっと見ている、と思ってしまうのです。でも、30分もそこにいると、最初の不安は消え、居直りの気分に似た、さわやかな気分になってきます。 さて、今回はその美術館で偶然に発見した俳句の話です。 * * 芭蕉と同時代の俳人に、鬼貫(おにつら)という人がいました。俳句を芸術にまで引き上げ、世界を確立しようとした芭蕉と違って、「俳句は余技である」という気持ちを貫いた人だそうです。 おもしろさ急にハ見えぬすすき哉 この句は、古池や、の句にあたる、鬼貫の創作上の悟りを示す句だそうです。 彼の俳論集「独りごと」にこの句の解説があります。 「すすきは色々の花もてる草の中にひとり立ち、かたちつくろはず、かしこからず。(かしこまらず、ということでしょうね)心なき人には風情を隠し、心あらん人には風情を顕す。只、その人の程ほどに見ゆるなるべし」 と書いています。 味わいのある句だと思いませんか。鬼貫はすすきのことを言っているのですが、私たちの庭づくり(私たちの庭の風情と言ってもいいでしょう)においても、心に響く句ではないでしょうか。あなたの庭は「おもしろさ」がありますか? 再掲しておきますね。 おもしろさ急にハ見えぬすすき哉 |
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